このブログを検索

2016年8月30日火曜日

オヤイデ電気秋葉原店 店頭アウトレットセール!

 オヤイデ電気秋葉原店。今日は台風10号が迫ってくるというので、平日ということもあり、いつもより街は静かです。けど、思ったほど風雨はきつくなかったです。

 オヤイデは8月決算で、ただ今秋葉原店では決算セールを開催中です!

いつもよりアウトレット品が安くなっていたり、限定アウトレット品が並んでいたりします。

オヤイデブランドのRCAケーブルが、いくつか箱痛み品なのかな、デモ使用品なのかな、そういった類のアウトレット品がいくつかありますね。

廃番商品のヘッドホンケーブルのデッドストックもHD650などたくさん放出しています!

スピーカーケーブルも、雑誌での試聴用に使ったTUNAMI NIGO V2にバナナプラグを装着したもの、ACROSS3000BやYのイベント使用デモ品など、使用極少の良品のお買い得品が!

 これはTGメタルの鉛粒FZ-02の処分特価販売品。残り1箱(5㎏分)となりました!通常5千円近くで売られているこの鉛粒、2,000円なら買いでしょ!けど、5キロの鉛を引っ提げて帰るというのは、なかなかにつらいのう。送料がかかっても良ければ、お店で配送の依頼をしてください。クロネコヤマトの宅急便で送れるはずです。

 これはアウトレット品ではないけど、最近安くて音が良くて売れてます神保電器のコンセントたち。右から1136、JEC-BN-55G PW 、JEC-BN-5 PW、1132。 1136と1132は真鍮電極で、ややきつめの挿入感です。JEC-BN-55G PW とJEC-BN-5 PWはなんと無酸素銅電極らしく、しっとりと挿入できます。今のところオヤイデ電気秋葉原店のみでオヤイデオンラインショップにはまだ載っていません。ほしい人はい店まで、もしくは電話かメールで通販希望してください。

デジファイ23号にヘッドホンイヤホンのバランス化改造の記事、みじんこ荒川が自作指南しています!

 8/29発刊のデジファイ23号22号がバランス式ヘッドホンアンプ基盤付録だった流れで、23号もこのバランスアンプキットにまつわる特集がいくつかなされています。


 ちなみにこれが22号の基盤と、オプションの拡張基盤DF22-EXPを合体した上で、奥澤の23号基盤専用ケースに入れたバランス式ヘッドホンアンプ。入力はRCA1系統、3.5ステレオミニ1系統。

このヘッドホンアンプ、うちのスタッフもめちゃくちゃ音が良いとお気に入りの声続出! 
XLR3極2個出し、XLR4極、3.5ミリ2個出し、2.5ミリ4極、IRIS(アイリス)方式と言ったバランス出力、それに通常の3.5ミリ3極のイヤホン出力もあります。

その中で、「イヤホン、ヘッドホンのバランス化は試す価値あり!」という記事が掲載されています。こちらの取材協力をオヤイデ電気秋葉原店が協力させていただきまして、自作例を私の方でやっております。自分のいま使ってないヘッドホンやイヤホンで、バランス化してみようかなと思っている人、ぜひこの特集を読んで自分のヘッドホンがバランス化できるのか否か、やるなら何が必要で、どんな工作をすればいいのかなど、このページを読めば、きっとご参考になるでしょう。バランス化改造の実例としては、ステレオサウンド編集部さんの私物だと思われるシュアのSRH550DJを用いて、私の方でXLR3極の2個方式のバランス出力化の改造を行いました。

2016年8月27日土曜日

吉祥寺のジャズ喫茶メグ レコードカートリッジの試聴イベントはまったりと。

 先週8/19金曜日、19-22時まで、吉祥寺のジャズ喫茶メグでアナログカートリッジの試聴会がありました。こちらは吉祥寺北口出て右手に歩いた路地裏で、右手の青い看板がMEGUで、年期の入った雑居ビルの2階にあります。

 司会はオーディオユニオン吉祥寺店の三輪さん。大概の人は舌を巻くほどのオーディオマニアで、オーディオのために生まれてきたといっても過言ではない、熱い人です。


ターンテーブルにシートにはオヤイデ電気のBR-12をお使いいただいています。また、カートリッジをDL103Rと同一にして、オヤイデ電気のヘッドシェルHS-CFHS-TFの聴き比べを行いました。これがですねぇ、明確に違いました。いや、私は何度も両者の違いを聴き比べているので、予想通りの違いだと感じたのですが、みなさんヘッドシェルでここまで音が違うのかとびっくりされていました。HS-CFはフラットバランスで音場感に秀でていまして、万人向き。一方のHS-TFは音像が鮮明に、ややハイ上がりのハイスピードサウンドでの個性派で、やや耳につんざく感じのロジウムメッキの癖らしいものが感じられ、好き嫌いがはっきり分かれるところ。


 さらに続けて、新旧レコードカートリッジを20種類あまりじゃんじゃか一斉に聴き比べするという、アナログマニアには堪らない、楽しい企画。それぞれのカートリッジの試聴の感想を述べ始めるときりがないのですが、細かい音を漏れなく正確に出してくるデノン、シェルター、ZYXなどの生真面目さが感じられる日本製カートリッジ。対してオルトフォンはワイドレンジではなく、雑味が多いのだけれども、音楽の起伏をうまく表現する、聴いていて楽しくなるような印象。ゴールドリングはシュアーのV15タイプ3が、バランスの良さで参加者全員ため息。これが長く愛されるのがわかるよなぁと納得。


個人的にはDECCAのMK5Eが子気味良く気に入り、DECCA MK5EかSHURE V15 TYPE3が私の耳には馴染み良く欲しくなりました。 なんでもDECCA MK5Eは通常2つのコイルのところ3つあって、特殊な構造をしているという説明を三輪さんから受けました。三輪さんがカートリッジの特徴を詳しく解説し、寺島さんが誰それ憚ることなく試聴の感想を放ち、私やその他の参加者の方々が小話を添える感じで3時間はアッという間。


来店者数は最初は3名で、最後の方は9名ほどになりましたが、少人数だからこそ、メグのオーナーの寺島靖国さんも、私も、その他の参加者も言いたいことを言いたいだけしゃべって、楽しい夜会となりました。


 試聴レコードはダイアナクラールの2015年最新アルバム「Wallflower」の1曲目。心に染み入る、とっても良いアルバムです。大部分の極は、名曲のカバーアルバムなのですが、デビッドフォスターがプロデュースを行っていて、全曲なるほどの出来上がりです。LPは2枚組です。全てのカートリッジを一旦この曲で聴きました。その後、気に入ったカートリッジを参加者がリクエストしつつ、LPもとっかえひっかえして、楽しいイベントとなりました。

内容はまだ未定ですが、9月も三輪さん司会の試聴会を催す予定とのこと。オーディオユニオンのイベント案内か、メグのイベント&ライブスケジュールをチェックしてみてくださいね。

神保電器 真鍮電極ULコンセント1132を使った電源タップ自作例を紹介!


 先日ブログで紹介した神保電器のUL規格コンセント、1132を使った電源タップの製作事例をご紹介します。1132については季刊オーディオアクセサリーの161号の「クラフトアクセサリーのススメ」という連載記事に、音の良いコンセントとして紹介されていますので、詳しくは雑誌を読んでくださいね。


 さて、こちらが1132。オヤイデ電気秋葉原店の店頭では464円で売られています。とにかく安い!オーディオ用とはケタが1つ違います。

1132は真鍮電極で、茶色いフェイスカバーが渋いコンセントです。安価に自作電源タップを製作するのにうってつけのコンセントです。この1132、オンラインショップではまだ扱っていないので、どうしても通販してほしいという人はオヤイデ電気秋葉原店(03-3253-9351)か、オヤイデ電気本社(03-5684-2151でオンラインショップ担当をご指名)までお電話でご注文してください。

 ケーブルには塩田電線のPC-23というOFCケーブルを使用。

PC-23は安定的に売れていて、柔軟性に富み、単純な3芯キャプタイヤ構造で、端末加工がしやすいケーブルです。導体断面積は2スケアで、音質的には中域重視。低域の厚みはあまり出ませんが、1,000円程度と手ごろな価格のオーディオ用電源ケーブルなので指名買いが多いです。この価格帯の電源ケーブルでライバルと言えば、ベルデンの19364、それにオヤイデのL/i50ですね。やや粗めのアメリカンサウンドが好みで、耐ノイズシールドを重視するなら19364。ケーブルの柔軟性、それに中低域の充実感が欲しければL/i50。日本的なさらりとした音質、柔軟性と加工のしやすさを選ぶならPC-23といったところですね。

コンセントを固定するケースにはニチドウのダブルコンセント型塩ビボックスを使用。 ケーブル引き出し口にはFGA21L-14というケーブル固定クランプを装着。コンセントボックスの側面には、オヤイデ電気の電磁波吸収シートMWA-030Sをハサミでカットして貼り付け。MWAの貼り付け位置はどこでも効果があるのですが、ここではコンセントボックス側面に貼り付けました。コンセント自体に貼り付けても構いません。コンセントに貼り付ける場合は、ホットやコールドの電極に触れないよう、側面の樹脂部分に数カ所貼り付けると良いでしょう。MWAを使用すると、S/N感が格段によくなり、ノイズフロアーが下がったように聞こえます。ただし、効果があるからと言ってどこもかしこもMWAだらけにすると、音のうまみ成分まで吸い取られた感じになり、大人しくなりすぎるので、ほどほどに使用しましょう。

 
 コンセント同士をつなぐ渡り配線にもPC-23をばらした芯線を使用。渡り配線は10cmほどで連結できます。
 

 1132をケースに固定します。アース極をどちら向き、すなわちケーブルの引き出し口方向に揃えるか、反対向きにするかは個々人の自由です。この作例ではケーブル引き出し口方向にアース側を向けました。

電源プラグにはオヤイデ電気のP-029を使用。コンセントカバーには神保電器のプラスチック2連プレート(UL)を使用。レトロ感あふれるクリーム色が、1132のチョコ色と相まって、とても愛らしい外観の電源タップに仕上がりました。 音質傾向はごく自然体のとても聴きやすい癖の少ない電源タップだなというのが第一印象。特に音楽ジャンルを選ぶこともないですが、管楽器の響きがとても透き通って聴こえ、アコースティックギターの音色も美しく部屋いっぱいに広がっていきます。

どちらかというとド派手なパワー感や、分析的な高解像度ではなく、ごく普通に、和やかに音楽を程よい高音質で楽しみたい、そういう気分にさせてくれる電源タップです。ビンテージオーディオをたしなまれる方々に、ベストマッチな気もします。

ところで、このみじんこ荒川の自作電源タップ、塩ビボックスの下にオヤイデ電気の御影石ベースOCB-BSをエポキシ接着剤で貼り付けています。しかもOCB-BC2枚重ねで、電源タップの総重量は3.4㎏と、電源タップとしてはかなりの重量級。硬い電源ケーブルを複数挿し込んでもびくともしませんし、何も貼り付けていない時と比べると、音像の明瞭さ、音の躍動感がまるで違い、音質は雲泥の差です。2枚は過剰かもしれませんので、1枚でも効果充分。

OCB-BSと言えば、ただいま傷物アウトレット品がオヤイデ電気秋葉原店の店頭とオヤイデ電気オンラインショップでアウトレット販売中!ぜひご利用ください。


塩ビボックスと御影石の接着には、高い接着強度を有する2液混合性のエポキシ接着剤がお勧めです。コニシ製セメダイン製など、メーカーはどこでもいいです。エポキシ接着剤はホームセンターや工具店に行けばどこでも売っています。エポキシ接着剤は硬化時間によってタイプ分けされていますが、硬化時間は1分とか5分とか、あまりに早いものだと貼り付けようとしているそばから硬化が始まってしまい、扱いづらいので、30分~2時間硬化タイプあたりが良いでしょう。注意点は、ケースがずれて動いてしまわないよう、接着後は水平なところに静置し、できればテープなどでケースを御影石に仮止めすることが望ましいです。接着後、適当に置いておくと、御影石のど真ん中に貼り付けたはずのケースが、いつのまにか動いていて、接着剤が硬化してしまってはがすこともできない、なんてことが起こりえます。

こちらはコンセントプレートをコンセントに取付けるねじに、ステンレス製のねじを使用した作例。コンセント中央のへそねじが銀色をしているでしょ。こちらの電源タップと、先に紹介した電源タップ、聴き終えたので、さきほどアウトレット処分でオヤイデ電気秋葉原店に。早い者勝ちです!


ちなみにプラスチック2連プレート付属のねじは真鍮製で、ネジ頭がプレートと同じクリーム色に塗装されています。

このコンセントのへそねじでも音は変わりまして、2台の電源タップを聴き比べてみますと、わずかですが差があります。付属のスチールねじはレンジがやや狭いながらも、個々の楽器や声が元気よくはじけていて、別に悪くない。ステンレスねじは音像が引き締まってピントが合い、高域が伸びる印象。

問題はコンセントに取付けられるステンレスねじが入手しずらいこと。なぜなら日本の配線器具メーカー製のコンセントのコンセントプレート用ねじ穴は、M3.5という一般にはあまり見かけることのないねじ径だからです。 しかし、そこはかゆいところに手が届くオヤイデ電気!せっかくブログの記事にしたのだから、入手できなけや意味がない。ということで、今日の夕方あたりから、このM3.5コンセントプレート取付用ステンレスねじを、オヤイデ電気秋葉原店で20円/個(税別)で売り始めましょう!

ちなみにオヤイデ電気秋葉原店では、3年前から黒染加工されたステンレスねじを販売中で、これも20円/個(税別)です。音的には銀色と黒染であまり差はないと考えてよいのですが、厳密にいうと、銀色の方が高域に少しキラッとした輝きというか、程よいアクセントが感じられます。黒染の方はそのような感じがなく、理路整然ですっきりとしたフラット基調。ま、ほんのわずかの気のせいレベルの違いなので、あまり迷うことなく、あとは色の好みで選ばれると良いかと思います。ねじの世界も奥深いものです。そしてコンセントの世界もね。

神保電器の丸形コンセント1136取り扱い開始。

こちら先日のブログで紹介した神保電器の無酸素銅電極コンセント、名前がなんだっけな? JEC-BN-55G PWですね。覚えにくい。神保電器の配線器具類を秋葉原で小売りしているところは、オヤイデ電気以外に見当たらない。同社サイトのオンラインカタログを見る限り、コンセントも多種類製品化しているにもかかわらずね。聞くところによると、神保電器の配線器具類は、建築会社への納入など、B-Bでの流通がメイン。一般消費者が購入できる小売販売では、少なくとも秋葉原電気街ではほとんど見かけることがないですが、ホームセンターで小売りしているところはあるらしいです。


あと、東急ハンズ渋谷店には神保電器の3口コンセントJEC-BN-555(チョコ)が売られているのを見かけたことがあり、これはなんというか、レトロな色合いのフェイスカラーと、斬新な赤いボディとのマッチングが妙に合っていて、このコンセントの見た目が醸し出す独特の雰囲気にそそられるものがあります。

いままで明工社、パナソニック(旧 松下電工、パナソニック電工)、アメリカン電機、未来工業、レビトン、ハッベル、マリンコといった配線器具メーカーの製品が、オーディオアクセサリー業界で話題に上ることはあっても、神保電器の製品がオーディオ分野で取り上げられることは皆無でした。それに日の目を当てたのがビンテージジョインのキヨトマモルさん。

こちらが仕入れた神保電器のコンセント。JEC-BN-5 PWとJEC-BN-55G PW。オヤイデ電気秋葉原店で好評販売中です!JEC-BN-5 PWは1個145円税別なので税込みだと156円、JEC-BN-55G PWは税別430円なので税込みだと464円で売ってます。なんとこのマイルドビーと呼ばれるシリーズのコンセント、電極材にOFCを使っているとか。プラグの挿入感はとても滑らかです。電極は明るい銅色をしています。

さらにこちらが1136と呼ばれる丸形のおもて面を有した1個口コンセント。電極は真鍮製。丸形のフェイスを持つコンセントの何が良いかというと、コンセントプレートが自作しやすい、その一点に尽きるかな。ホールソーと呼ばれる切削工具をボール盤なりドリルに取付けて、何らかの板に丸穴を開ければ丸形コンセントのコンセントプレートが出来上がります。



 この1136コンセントを使った作例が月刊ステレオの7月号170-171ページに掲載されています。このキヨトマモル氏の「クラフトビンテージ」は「リーズナブルな予算で工作し、楽しく良い音でオーディオを楽しもう」という主旨で今春から月刊ステレオに連載されています。気になる人はバックナンバーを探して読んでみてください。「アナログプレーヤー用アイソレーショントランスボックスの製作(パーツ編)」が7月号。


最新刊の9月号では「アナログプレーヤー用アイソレーショントランスボックスの製作(加工、組み立て、仕上げ編)」となっています。パナソニック、明工社、神保電器を聴き比べて、神保電器の1136とJEC-BN-5 PWに決めたと記事に書いてあるので、あてずっぽうに1136をセレクトされたわけではないようです。というわけで、キヨト氏の要請を受けて、オヤイデ電気で1136好評販売中です!オヤイデ電気での1136店頭販売価格は1個330円税抜き、税込み356円です。

 
どうしても丸穴を開けられない人は、1136用のプレートもあります。オヤイデ電気では通常在庫してない取り寄せ品です。


そういえば、神保電器のオンラインカタログを見ていたら、皆さんの参考になりそうなページが。 配線器具にも寿命があるというページです。


こちらは日本配線システム工業会(JEWA)という一般社団法人の資料から引用されているとのこと。この工業会のページを見ると、住電盤(住宅用分電盤)の役割について書かれています。

さらにコンセントについて書かれています。ここの記載によると「接地は、電気製品の漏電事故防止の安全装置であり、日本では接地極付きコンセントが普及していないため、外殻が金属の電気製品にはアース線を用い、使用者が壁のアースターミナルに接続する仕組みです。海外では、接地極付きコンセントが普及しており、電気製品にはアース線ではなく、プラグにアースピンが付いており、プラグを差し込むと同時に接地が繋がる安全な仕組みです。日配工も、欧米先進国並みに、接地極付きコンセントを義務化を日本で実現することを推進しております。 」とあり、オーディオでよく使われるアース付きコンセントの設置を推奨しています。



神保電器のカタログに戻りまして、内線規程について書かれたページも面白いです。接地極付コンセント、すなわちアース極があるコンセントには、必ずアース配線を接続すること、という主旨の記載があります。ご参考まで。

2016年8月26日金曜日

激安で音が良い!神保電器のコンセント 真鍮電極1132と、無酸素銅電極らしい?JEC-BN-55G PW販売好調!


季刊オーディオアクセサリー161号(2016夏号)。現在本屋に並んでいるのが162号ですから、前の号ですね。

 このオーディオアクセサリー161号から新連載のクラフトアクセサリーのススメ。代々木のオーディオショップ、ビンテージジョインのキヨトマモル氏が執筆されています。キヨトマモルさんは、趣味の人で、ご自身のショップのホームページなどをご覧いただければわかる通り、工作全般に秀でておられ、かつ他に流されない独自の感性をお持ちの方です。


で、この誌面では音の良いコンセントをキヨトマモルさん自らリサーチし、神保の1132とJEC-BN-5 PWをセレクト。これらのコンセントを用いた電源タップ造りの一端を記事にされています。音の特徴など詳しくはこの記事をお読みいただきたいのですが、一部抜粋しますと「・・・一番の好みが神保電器のコンセントでした。他メーカーの製品は音がこもったり、メリハリは出るのですがうるさ過ぎたりしていて、神保電器の音がいちばんナチュラルで、聴いていて楽しい音が出てきました。情報量が増えたからでしょうか?不思議とボリューム感も大きくなったように思えます。・・・」と、神保電器のコンセントについて述べられています。私も試聴した感想は、ほぼ同感です。 1132はULタイプの3Pコンセントで、電極は真鍮材の無メッキ。音はややクールな寒色系。JEC-BN-5 PWはほんのりと春の陽気を感じさせるような暖色系。


この記事では1口タイプのJEC-BN-5 PWが紹介されてますが、これと同じ音の2口3PタイプのJEC-BN-55G PWというのも、オヤイデ電気で扱い始めました。もちろんJEC-BN-5 PWも売っています。

そしてなんと、雑誌には書かれてませんが、 JEC-BN-5 PWとJEC-BN-55G PWは、電極材が無酸素銅(OFC)で構成されているとか。コンセントの電極材には一般に、バネ性に優れたリン青銅を使用します。バネ性に乏しい無酸素銅をコンセントの電極材に使うなんて、そんなことあるんかいな?と思ったのですがホントらしいです。キヨトさんいわく、神保電器に問い合わせたら、 JEC-BN-5 PWとJEC-BN-55G PWは無酸素銅だと。 JEC-BN-5 PWとJEC-BN-55G PWの音が良いのは、OFCが電極材に使用されているからかも、とキヨトさんはおっしゃられていました。


 早速JEC-BN-55 PWを電源タップに仕立ててみましたよ。JEC-BN-55 PWの裏面は見るも鮮やかな赤ちなみにこのコンセント、オヤイデ電気秋葉原店のみでの扱いで、まだオンラインショップには掲載されていません。通販ご希望の際にはお電話かメールなどでお店か、本社のオンラインショップ担当にお問い合わせください。

このときは、 たまたま手元にあった塩田EM/EEF 22の中身(黒だけ)を使ってコンセント間の渡り配線をしつらえました。

 一方、比較試聴のため、パナソニックのWN1512Kでも電源タップを仕立ててみました。WN1512Kは神保のJEC-BN-55G PWとは対照的で、本体裏面が緑色をしていますね。

 WN1512Kもこのように渡り配線で2個のコンセントをつなぎます。12cmくらいにカットした配線を使いましたが、もう少し短く、10cmくらいでもよかったかもしれませんね。ま、ここらへんは造りながらカットアンドトライで長さを微調整してください。


 WN1318Kの配線は上写真の通り、WN1318Kから直出しされているアース線と、電源ケーブルのアース線とを圧着スリーブでかしめるなどして接合します。ここで私が使ったのは、たまたま手元にあったCE8という絶縁被覆付着端子 端子:無酸素銅管(電気錫メッキ)です。

ちなみに、電源タップからの引き出しケーブルは、塩田電線のPC-23という電源ケーブルを使用。実売1,080円/mとリーズナブルながら、一種OFCを使用し、柔軟性にも富んだ、オーディオ用電源ケーブルです。このPC-23の芯線は撚り線なので、そのままでは電源配線をワンタッチで挿し込み固定するタイプのWN1318KやWN1512K、JEC-BN-55G PWには、撚り線がぐしゃっとなってしまい、うまく接続できません。そう、 これらのコンセントは、接続される配線が、単線であることを想定しているのです。そこで、PC-23などの撚り線の電源ケーブルをこれらのワンタッチ式コンセントに接続するには、上写真のように棒端子を端末に取付けます。PC-23は導体断面積2.0スケアなので、TC-2-16 バラ 棒端子が適合します。これをPC-23の端末を剥いた導線に圧着工具で固定し、熱収縮チューブで保護してやります。


さらに、ポリマールなどの磨き布で棒端子を磨いてやると完璧です。圧着端子って未使用でも意外と汚れていますからね。

  せっかくなので、パナソニックの医用コンセントで、オーディオ用としても音が良いので有名なWN1318Kも、同一条件の電源タップに仕立てて音質を比較してみましたよ。色は渋めのチョコをチョイスしてみました。電源プラグはパナソニックのWF5018Kを使用してみましたよ。赤い熱収縮チューブは西日本電線のニシチューブNPAというモノですが、これは通常オヤイデ電気では在庫していませんが、直営店に在庫限りアウトレットで数本あるかと思います。

 コンセントボックスはパナソニックのDFZ3222と いう鋳鉄製溶融亜鉛メッキ、2連露出スイッチボックスを使用。これは鋳鉄製というだけあって、どっしりとした重さがあり、武骨な外観に魅力があります。音 質的には、結構荒っぽくてドンシャリ傾向で、あまりリファレンス的ではないかもしれませんが、ドンシャリ的な癖を抑え込むため、ボックスの内部にMWA- 030という電磁波吸収シートを貼って、ケースの鳴きを抑え込んでいます。このMWAというシートは、電磁波吸収以外にも、ケースの鳴き止め防止など、振 動抑制にも効果があるので、一石二鳥で便利ですよ。この手の自作の際には、少量でもいいので、ケースの中などにちょっと貼り付けてみてください。大きさは 一番小さなMWA-030Sでまずはお試しください。ケース内部を全面にわたって貼り付ける必要はありません。


コンセントプレートは、WN1512KやWN1318K,JEC-BN-55G PWといった長方形状、俗にJISタイプと言われますが、これらのコンセントには、長方形の切り欠きが2個設けられたパナソニックのステンレスプレート6口用 WN7606Kを被せました。

神保電器の1132には、ULコンセントプレートのステンレス2連プレート(UL)を被せました。


 神保のULタイプコンセント1132も同一条件の電源タップに仕立てて、計4種類のコンセントの音質を比較してみましたよ。

・Panasonic WN1512K 454円   リン青銅電極 伸びやかで開放的だが、やや大味。

・JIMBO JEC-BN-55G PW 464円  無酸素銅電極 鮮度が高く、明るく瑞々しく、リズミカル。

・Panasonic  WN1318K 1,339円  リン青銅電極 中庸でまとまり良く、派手さはなく大人しい。

・JIMBO 1132 464円 真鍮電極 音の輪郭が鮮明で、声がすっきりと爽やか。弦の響きもリアル。


 簡単に感想を述べるとこんな感じです。コストをそれほどかけることなく製作できるので、皆さんもぜひ自作電源タップを製作してみてくださいね。
神保電器のコンセントは、安くて高音質!ぜひお試しになって見てくださいね。1132は雑誌を見た人たちが買いに来たりして、すでに店でかなりの数売れていますし、JEC-BN-55 PWも口コミで広がっているようですよ。