先日ブログで紹介した神保電器のUL規格コンセント、1132を使った電源タップの製作事例をご紹介します。1132については季刊オーディオアクセサリーの161号の「クラフトアクセサリーのススメ」という連載記事に、音の良いコンセントとして紹介されていますので、詳しくは雑誌を読んでくださいね。
さて、こちらが1132。オヤイデ電気秋葉原店の店頭では464円で売られています。とにかく安い!オーディオ用とはケタが1つ違います。
1132は真鍮電極で、茶色いフェイスカバーが渋いコンセントです。安価に自作電源タップを製作するのにうってつけのコンセントです。この1132、オンラインショップではまだ扱っていないので、どうしても通販してほしいという人はオヤイデ電気秋葉原店(03-3253-9351)か、オヤイデ電気本社(03-5684-2151でオンラインショップ担当をご指名)までお電話でご注文してください。
ケーブルには塩田電線のPC-23というOFCケーブルを使用。
PC-23は安定的に売れていて、柔軟性に富み、単純な3芯キャプタイヤ構造で、端末加工がしやすいケーブルです。導体断面積は2スケアで、音質的には中域重視。低域の厚みはあまり出ませんが、1,000円程度と手ごろな価格のオーディオ用電源ケーブルなので指名買いが多いです。この価格帯の電源ケーブルでライバルと言えば、ベルデンの19364、それにオヤイデのL/i50ですね。やや粗めのアメリカンサウンドが好みで、耐ノイズシールドを重視するなら19364。ケーブルの柔軟性、それに中低域の充実感が欲しければL/i50。日本的なさらりとした音質、柔軟性と加工のしやすさを選ぶならPC-23といったところですね。
コンセントを固定するケースにはニチドウのダブルコンセント型塩ビボックスを使用。 ケーブル引き出し口にはFGA21L-14というケーブル固定クランプを装着。コンセントボックスの側面には、オヤイデ電気の電磁波吸収シートMWA-030Sをハサミでカットして貼り付け。MWAの貼り付け位置はどこでも効果があるのですが、ここではコンセントボックス側面に貼り付けました。コンセント自体に貼り付けても構いません。コンセントに貼り付ける場合は、ホットやコールドの電極に触れないよう、側面の樹脂部分に数カ所貼り付けると良いでしょう。MWAを使用すると、S/N感が格段によくなり、ノイズフロアーが下がったように聞こえます。ただし、効果があるからと言ってどこもかしこもMWAだらけにすると、音のうまみ成分まで吸い取られた感じになり、大人しくなりすぎるので、ほどほどに使用しましょう。
コンセント同士をつなぐ渡り配線にもPC-23をばらした芯線を使用。渡り配線は10cmほどで連結できます。
1132をケースに固定します。アース極をどちら向き、すなわちケーブルの引き出し口方向に揃えるか、反対向きにするかは個々人の自由です。この作例ではケーブル引き出し口方向にアース側を向けました。
電源プラグにはオヤイデ電気のP-029を使用。コンセントカバーには神保電器のプラスチック2連プレート(UL)を使用。レトロ感あふれるクリーム色が、1132のチョコ色と相まって、とても愛らしい外観の電源タップに仕上がりました。 音質傾向はごく自然体のとても聴きやすい癖の少ない電源タップだなというのが第一印象。特に音楽ジャンルを選ぶこともないですが、管楽器の響きがとても透き通って聴こえ、アコースティックギターの音色も美しく部屋いっぱいに広がっていきます。
どちらかというとド派手なパワー感や、分析的な高解像度ではなく、ごく普通に、和やかに音楽を程よい高音質で楽しみたい、そういう気分にさせてくれる電源タップです。ビンテージオーディオをたしなまれる方々に、ベストマッチな気もします。
ところで、このみじんこ荒川の自作電源タップ、塩ビボックスの下にオヤイデ電気の御影石ベースOCB-BSをエポキシ接着剤で貼り付けています。しかもOCB-BC2枚重ねで、電源タップの総重量は3.4㎏と、電源タップとしてはかなりの重量級。硬い電源ケーブルを複数挿し込んでもびくともしませんし、何も貼り付けていない時と比べると、音像の明瞭さ、音の躍動感がまるで違い、音質は雲泥の差です。2枚は過剰かもしれませんので、1枚でも効果充分。
OCB-BSと言えば、ただいま傷物アウトレット品がオヤイデ電気秋葉原店の店頭とオヤイデ電気オンラインショップでアウトレット販売中!ぜひご利用ください。
塩ビボックスと御影石の接着には、高い接着強度を有する2液混合性のエポキシ接着剤がお勧めです。コニシ製、セメダイン製など、メーカーはどこでもいいです。エポキシ接着剤はホームセンターや工具店に行けばどこでも売っています。エポキシ接着剤は硬化時間によってタイプ分けされていますが、硬化時間は1分とか5分とか、あまりに早いものだと貼り付けようとしているそばから硬化が始まってしまい、扱いづらいので、30分~2時間硬化タイプあたりが良いでしょう。注意点は、ケースがずれて動いてしまわないよう、接着後は水平なところに静置し、できればテープなどでケースを御影石に仮止めすることが望ましいです。接着後、適当に置いておくと、御影石のど真ん中に貼り付けたはずのケースが、いつのまにか動いていて、接着剤が硬化してしまってはがすこともできない、なんてことが起こりえます。
こちらはコンセントプレートをコンセントに取付けるねじに、ステンレス製のねじを使用した作例。コンセント中央のへそねじが銀色をしているでしょ。こちらの電源タップと、先に紹介した電源タップ、聴き終えたので、さきほどアウトレット処分でオヤイデ電気秋葉原店に。早い者勝ちです!
ちなみにプラスチック2連プレート付属のねじは真鍮製で、ネジ頭がプレートと同じクリーム色に塗装されています。
このコンセントのへそねじでも音は変わりまして、2台の電源タップを聴き比べてみますと、わずかですが差があります。付属のスチールねじはレンジがやや狭いながらも、個々の楽器や声が元気よくはじけていて、別に悪くない。ステンレスねじは音像が引き締まってピントが合い、高域が伸びる印象。
問題はコンセントに取付けられるステンレスねじが入手しずらいこと。なぜなら日本の配線器具メーカー製のコンセントのコンセントプレート用ねじ穴は、M3.5という一般にはあまり見かけることのないねじ径だからです。 しかし、そこはかゆいところに手が届くオヤイデ電気!せっかくブログの記事にしたのだから、入手できなけや意味がない。ということで、今日の夕方あたりから、このM3.5コンセントプレート取付用ステンレスねじを、オヤイデ電気秋葉原店で20円/個(税別)で売り始めましょう!
ちなみにオヤイデ電気秋葉原店では、3年前から黒染加工されたステンレスねじを販売中で、これも20円/個(税別)です。音的には銀色と黒染であまり差はないと考えてよいのですが、厳密にいうと、銀色の方が高域に少しキラッとした輝きというか、程よいアクセントが感じられます。黒染の方はそのような感じがなく、理路整然ですっきりとしたフラット基調。ま、ほんのわずかの気のせいレベルの違いなので、あまり迷うことなく、あとは色の好みで選ばれると良いかと思います。ねじの世界も奥深いものです。そしてコンセントの世界もね。
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