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2011年6月21日火曜日
THE PLUG をリケーブル!
AKGのK404リケーブルに続く、リケーブル第二弾。今回はKOSSのTHE PLUGのリケーブルです。
THEPLUGは、現在のイヤホン・ヘッドホンブームの遥か前、8年ほど前から製品化され、その価格の安さとパンチのある音色で、人気を博してきました。微妙な変更を繰り返しながら、多数のライバルイヤホンが発売されている昨今においても、いまだ現行品で売られています。値段は実売1,500円前後であることが多いようです。私もTHE PLUGの出始めのころ、THE PLUGを使っていました。
THE PLUGは、標準ではご覧の通りスポンジ状のイヤーチップが装着されています。これの装着感がいまいちとのことで、他のイヤーチップに変更する改造が流行ったことがあります。詳細は具体例をもって後述しますが、俗に「THE PLUG ギボシ改造」とか言われる改造です。
さて、早速THE PLUGを分解してみましょう。まずカッターの刃を写真のように、THE PLUGの中ほどの継ぎ目部分に当てます。
継ぎ目部分に当てた刃をぐいぐいと継ぎ目に食い込ませていくと、継ぎ目が開いてきます。そして、継ぎ目の外周に沿って、さらにカッターの刃を食い込ませていくと、継ぎ目がさらに開いてきます。
ある程度継ぎ目が開いたら、あとは手でこじ開けてください。すると、上写真のようにイヤホンコードが引き出されているカバーと、イヤホンユニットが内蔵されている本体とに分離できます。
これは左(L)チャンネルの分解写真。イヤホンコードは、ユニットに2か所ハンダ付けされています。赤色の線がhot(+)、銅色の線がground(-)に繋がっています。このハンダ付け個所に、慎重かつ手早くハンダ小手を当てて、ハンダを溶かしてケーブルを外します。ハンダの出力は20Wから60Wの間、より好ましくは40Wくらいがいでしょう。
これがリケーブルに用いるオヤイデ電気のHPC-26T。導体はコア、シールドともにPCOCC-A導体を採用。フッ素樹脂絶縁にTPEシースと、高音質と耐久性と取り回しのしやすさを両立させたオヤイデ電気のリケーブル用イヤホンコードです。外装シースの色は、艶消し黒です。
構造は、1芯シールド線を2本平行に接着した、平行ケーブルとされており、手でさっくりと2本を引き裂くことができます。細さは1本当たり直径2.0mmとされており、THE PLUGのようなイヤホンや、先日の例に出したAKG404などの小型ヘッドホンに好適なリケーブル用イヤホンコードです。
このHPC-26Tをお好みの長さ用意し、片側の端末を20-30cm程度2本に引き裂いて、引き裂いた2本の線を上写真のようにTHE PLUGの左および右のユニットにそれぞれハンダ付けします。
ハンダ付け後、本体とカバーを接着しなおせばリケーブルは完了!
カバーと本体との接着に用いる接着剤は、コニシG17などのゴム系接着剤が無難。強度的により好ましくはA剤+B剤混合型の2液性エポキシ接着剤、セメダインスーパーXなどの強力な接着剤がおすすめです。わたしはスーパーX愛用者なので、スーパーXを使いました。
作業性を重視する人は、瞬間接着剤でも構いません。ただし、瞬間接着剤を使用する場合は、失敗した時や、再度カバーを開けたいと思っても、頑丈に接着されすぎて、こじ開けられない可能性があります。また、瞬間接着剤は、接着後に接着部周辺が白く曇ることがあり、美観を損ねる可能性もあります。
THE PLUGの場合、ケーブル引出口に元々付いているゴムブッシュにHPC-26Tはいやや入りにくいので、思い切って捨ててしまったほうがよいでしょう。そうすると、HPC-26Tとカバーのケーブル引出口との間に、若干の隙間が空いてしまいます。そこで上写真のように、ケーブル端末に収縮チューブを熱収縮させて、引き出し口の隙間を埋め合わせるようにします。収縮チューブとしては、スミチューブAの3mmか4mmあたりが良いかと思います。引き出し口の強度を増すために、カバーを閉じる前に、カバーの内側から、引き出し口周辺に接着剤を塗っておくことをおすすめします。接着剤の種類としては、ゴム系接着剤か2液性エポキシか、スーパーXです。ケーブル引き出し口からはみ出た接着剤は、タミヤのエナメル薄め液X-20でふき取ります。
リケーブルが終わったら、次はTHE PLUGのイヤーチップ改造をしましょう。まず、付属のイヤーチップを取り外し、中から現れる白いビニルチューブをカッターで切断します。切断する位置は、どこでも構わないと思いますが、私は白いチューブの1/3を残し、2/3を切り捨てました。
ついでこの白いビニルチューブにここにE小という圧着端子を嵌め込み、接着します。E小はオヤイデ電気で2個42円で売られています。接着方法はなんでもよいでしょうが、私は瞬間接着剤を使いました。
ちなみに、E小の外径は5.0mmです。
E小を接着後のイヤホンの様子。ここに新しいイヤーチップを嵌め込みます。
E小に嵌めこむイヤーチップは、嵌まればソニー製でもオーディオテクニカ製でも、その他メーカー製でも何でもいいののですが、私はオーディオテクニカ製のイヤーチップを選びました。ちょっと挿入するのに力がいりますが、耳への抜き差し程度では外れないほどがっちりと嵌まります。
このイヤーチップはER-CKM55Lという型番です。ソフマップ秋葉原本館で、6個入りで480円で売られています。おそらく家電量販店やオーディオ店のイヤホンコーナーでごく普通に入手可能と思います。
これがリケーブル&イヤーチップ交換改造後のKOSS THE PLUG。3.5ミニプラグにはオヤイデ電気のP-3.5Gを使用しました。
改造後のTHE PLUGの端末のアップ。このオーディオテクニカ製イヤーチップは、THEPLUG純正イヤーチップに比して、耳への収まりもよく、耳穴への密着性もよく、装着性が数段向上します。リケーブルの変化は著しく、ドンシャリ系だったTHE PLUGに、音抜けの良さと、色艶の良さが加味されたように感じます。元々THE PLUGは非常に安価なイヤホンなだけに、これより高価なイヤホンに比べると、それなりの限界もあるわけですが、1,500円のイヤホンがここまで遊べるなら、リケーブルの手始めにやってみてもよいかもしれません。仮に失敗しても、損害額は少ないので。では、近いうちにリケーブル第三弾もアップ予定です!
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