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2013年6月21日金曜日

RS-4C2VSを用いたAK100T専用デジタルケーブル製作記

最近、ちらほらオヤイデ電気の寒冷地用75Ω同軸デジタルケーブル RS-4C2VSが売れているそうです。まぁ、このRS-4C2VS、特にオーディオ用というわけではなく、NHKの取材班が南極の取材ロケに出向く際、氷結にも耐えられるケーブルが欲しいというご要望を受けて、オヤイデ電気が製作した、特殊な業務用デジタルケーブルなのです。凍らないよう、シースをシリコーン製としているのがミソです。業務用なのに音が意外にも素晴らしいのは、絶縁材にFEPを使っていることと、中心導体が銀メッキ銅であることと、NHKの厳しい仕様をクリアすべく、厳密に設計製作されているからでしょう。なので、お値段も業務用にしてはお高い1,890円/mなのですが、オーディオ用としては割安なので、ピュアオーディオのデジタルケーブル自作にも、好結果が得られるかもしれませんよ。音はけっこう低域がしっかりして、重心が低く安定した、厚みのあるサウンドです。

聞くところによると武蔵音研のAK100Tに用いるためのデジタルケーブルに、このRS-4C2VSが好適なのだそう。先月だったか、たまたま店舗にいた時に、このケーブルの特注製作を来店者の方から頼まれて作りました。上写真はRS-4C2VSの端末をスイッチクラフトの3.5ステレオミニプラグ35HDNAUに合うよう、端末処理したところ。35HDNAUのケーブル公称適合径は7mmで、RS-4C2VSは7.1mm。実際にはRS-4C2VSと35HDNAUはほぼぴったりで、わずかな隙間が空く程度でベストマッチです。RS-4C2VSのシールドを二股に分けたのは、ひとつに束ねてハンダ付けすると、ハンダ箇所が盛り上がってプラグのカバーに干渉してしまいそうだったからです。

 RS-4C2VSの二股に分けたシールド線を、35HDNAUのR(ピンの先端から2番目の電極に該当する内部電極)にハンダ付けします。Sに該当する電極(ケーブルのかしめ金具)には導体をハンダ付けしません。

ついで、さきほどのハンダ付け箇所にPTFEテープ絶縁したあと、Tに該当する内部電極に RS-4C2VSの中心導体をハンダ付けします。このようにRとTは近接して、下手をするとショートの危険性があるので、薄厚で絶縁特性に優れたPTFEテープによる絶縁処理は必須です。

そして、ケーブルカシメ金具をケーブルにかしめてケーブルを固定します。反対側の端末は3502AAUというスイッチクラフトのRCAプラグ指定だったので、これをハンダ付けしました。 具体的には、3502AAUのピン電極(プラス)にケーブルの中心導体を、グランド電極(マイナス、かしめ金具)にシールド線をハンダ付け。

できあがったのはこのような片端3.5ステレオミニ、他方端RCAプラグの短尺デジタルケーブル。AK100TとiBassoのD12Hjとの間をデジタル接続するために用いられるそうです。RS-4C2VSは太いですが、シリコーンシース製で柔らかいので、けっこうぐにゃりと屈曲します。上の銀色のケーブルは、FTVS-305を用いた、同じ用途に用いるデジタルケーブルで、近日中にフジヤエービックで販売開始します。後述するCOAX-R2M みじんこシグネチャーモデルとの外見上の見分け方は、ミニプラグがモノラルかステレオかということと、ミニプラグに貼付けたオヤイデロゴシールが銀帯か赤帯かの違いです。

これも同じ用途のケーブルですが、別の依頼者からの仕様に応じて、 RS-4C2VSを3mだったか、出力側端末をBNCプラグにしたものです。AK100Tを据え置き型のDACのBNC入力に接続するためのデジタルケーブルです。

BNCにはオヤイデのSLSBを、もう一方端には手持ちのパーツをあれこれ組み合わせたオヤイデ製非売品ミニプラグを装着。RS-4C2VSには高密度メッシュチューブ6mmを被せて、カッコ良く仕上げてみました。作るの大変だったので、欲しい方は自作でがんばってみて下さい。写真のミニプラグは非売品なので、申し訳ありませんが似たものとしてAP3.5ステレオミニプラグ(ロジウムメッキ)またはAP3.5ステレオミニプラグ(金メッキ)をご使用されると良いでしょう。





それにしてもAK100は人気ですね。先週香港へ行った時も、オーディオ店や免税店でAK100をよく見かけました。武蔵音研さんの手によるAK100改やAK100Tも、コアなマニアを中心にユーザーが拡大中のようで、フジヤエービックで販売中のオヤイデ COAX-R2M みじんこシグネチャーモデルも、おかげさまで30本近くを納品しております。たぶん、AK100改とD12Hjなどとの接続に使われているのでしょうね。

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