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2013年3月18日月曜日

FF-20でスピーカーケーブルを作ってみた!その1

 2月15日に発売されたオヤイデ電気のPCOCC-A電源ケーブルFF-20。発売から1ヶ月あまり経ってりますが、折しも消費税アップ前の一戸建てやオーディオルームの新築改築ラッシュと重なり、分電盤-オーディオルームの屋内配線として数十メートル単位で売れに売れております!さらに拍車がかかるのが、メーカーである古河電工およびファイルウェブなどで報じられているPCOCCの生産終了のアナウンス。PCOCC-Aも同じ運命を辿ります。在庫切れ次第、近い将来に無くなってしまう世界屈指の高音質オーディオ用導体PCOCC-A。それをふんだんに使った屋内配線ケーブルですから、音が悪いわけは無い。売れて嬉しいような、売れ過ぎて早く無くなってしまったら、二度と手に入らない悲しさも引きずりつつ、とにもかくにもこの節目の時期に登場したFF-20を今回はスピーカーケーブルに使ってみようと思います。




まぁ、こう言ってはなんですが、FF-20、EE/F-S2.0およびEE/F-S2.6含め、これほど音楽性に富んだ屋内配線専用電源ケーブルは、オヤイデが手持ちのPCOCC/PCOCC-A導体を使い切ってしまって、在庫がはけてしまったら二度と手に入らないでしょう。販売終了後に中古市場で長尺ものが出回るものでもないし、将来的にオーディオルームの新築改築をする目論みのある方は、今のうちにまとめ買いしておくことをお勧めします。私も確保しとこっと。

〜いつまでもあると思うな親とPCOCC〜

PCOCC-Aに代わる高音質導体って、うーむ、あとは三菱のDUCC導体くらいか。日立のLC-OFCカンタムもすでにオヤイデが保管している在庫限りだし・・・。しかし、清水のようにあまりに美麗すぎるDUCC導体の音では、押し出しが強く躍動感にあふれるPCOCC-A導体の代わりになることは難しく、また価格面でも、コストパフォーマンスに優れたPCOCC-Aに比して、その数倍もの銅単価であるDUCCにオヤイデの全ケーブルを切り替えるわけにもいかず、さてさてこの先どうなるやら。うちの社長はなにか秘策があるのか、以外と楽観視してますがね。

さて、本題に戻って、FF-20をスピーカーケーブルに仕立てようという今回のお題。しかしFF-20は本来屋内配線用の2本平行の2.0mmの単線Fケーブルで、絶縁材は電気特性に優れた肉厚なポリオレフィン、外装シースも制振作用に優れた頑強なエコシース材。一般的なフニャチンケーブルと違って、かなりビンビンな硬めのケーブルに仕上がってます。したがって、スピーカーケーブルとしての取り回しには一見難ありそうですが、会社システムで開発時に行ったFF-20のスピーカーケーブル試聴では、素晴らしい押しの強さと、産毛が逆立つようなリアルな表現力、ずば抜けた音抜けの良さ、立ち上がりの鋭さを体験しているので、これを私の自宅のオーディオシステムでも再現してみようというわけ。

ちなみに、よくオーディオファンからお問い合わせいただくのが、FF-20とEE/F-S2.0とEE/F-S2.6との音の違い。


私見を申しますと、これらを電源ケーブルに用いた場合、帯域のダイナミックレンジはほぼ同等、解像度もほぼ同等ですが、FF-20は締まりのある低域と、ボーカル帯域を中心とした中域の押し引きが明快で、瞬発力に優れ、高域がスパッと切れよく飛び出してきて、音抜けの良さが際立ちます。すなわち快活で元気のよい音。


一方のEE/F-S2.0は聴観上の帯域バランスが極めてフラットで、高域の倍音表現が特に素晴らしく、粒立ちのきめ細やかさと透明感が感じられる音色。奥行き感や見通しの良さが秀逸で、音場感に長けています。折り目正しい音といったところでしょうか。FF-20とEE/F-S2.0は同じPCOCC-A2.0mm単線を使用し、絶縁材も外装シース材も同じものを使用しているのですが、EE/F-S2.0には頑丈な銅箔シールドがほふられており、ケーブル自体の自重もかなりあるので、それが相当音に影響してそうです。

ま、FF-20が音質的にEE/F-S2.0に劣るというわけではないのですが、ぴちぴちJKのようにフレッシュであか抜けたFF-20が好きか、高学歴なエリートながらお色気フェロモンも垣間見える大人な魅力のEE/F-S2.0が好きか、そんなところでしょう。


さて、異色の存在が、EE/F-S2.6です。これはもう別格でしょう。なんというか音質矯正マシーンとでも言うべきかな。もはやケーブルという粋を超えている、このケーブル。とにかく音がガツーンとくる!低域の重厚感と、塊で飛んで来る嵐のような音の粒。そのあっと驚くパワー感は、世界広しといえどもEE/F-S2.6に勝るモノ無し。ただし、万人受けはしないです。まぁ、興味のある人は使ってみてチョ。病み付きになったら電源配線を全部EE/F-S2.6に換えてしまう人もいるくらいですから。俺は俺の道を行く!まだろっこしいことは大嫌いなんだ。なんか文句あっか?的なマッチョで男気あふれる存在感です。

不思議です、EE/F-S2.0とEE/F-S2.6の違いは、導体は2.0から2.6になって、ケーブル外径が13mmから15mmになっただけなのに、音にこれほどの違いが表れるとは。なお、EE/F-S2.6はものすごく硬いので、取り回しのしにくさも世界一です。ですが、EE/F-S2.6でしか得られない音世界があるので、地味に売れてるんですよね。しかも、買ってく人は、数十メートルの人もいれば(これは屋内配線用途でしょう)、1〜2メートル買いしていく人もいます(これはもう電源ケーブルの自作でしょう)。海外にもよく出荷されるこのケーブル、PCOCC-A生産終了の話が世界的に伝わると、海外からの買い付けが殺到して、早期に無くなってしまうのではないかと、個人的には心配です。

本題に全然入らぬまま、ずいぶんと前置きが長くなってしまったので、続きはまた次回!

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