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2011年11月5日土曜日

2011秋のヘッドホン祭りご報告その1


10/29にスタジアムプレイス青山で行われた「2011秋のヘッドホン祭り」。
あれからもう1週間経ちますが、ようやく会場のレポートです。
上写真は、オヤイデ電気+エレクトリの共同展示ブース。9階の902号室、14畳ほどのスペース。オヤイデ電気のヘッドホンケーブル、ドイツはSPLのヘッドホンアンプ、アメリカはアポジーのオーディオインターフェース、オヤイデ輸入元のFiiO、オヤイデが輸入予定のZephoneなど、てんこ盛りで展示を行いました。


アポジーのエントリークラスのコンパクトなオーディオインターフェースDuet2。今年7月発売以来、人気で品薄状態が続いていましたが、最近ようやく店頭にも並ぶようになった、USB接続型のオーディオインターフェースです。RMEのbabyfaceと聞き比べもしましたが、勝るとも劣らない高音質。この小柄な筺体ながら、筺体はずっしりと重く、出音はアポジーサウンドをしっかりと受け継いでいるので、アポジー好きにも安心してお勧めできます。デザインもシンプルで、Macに寄り添う感じなんともナイスです。ちなみにシステムは、PCオーディオのテスト用に使っているオヤイデ電気の常用品です。再生ソフトは普段はProtoolsを使うことが多いですが、今回は馴染みやすさを考慮してiTunesで鳴らしています。

ちなみにDuet2はオープンプライスで実売6万円程度で売られています。Duet2とMacとUSBケーブルとヘッドホンがあれば、Duet2のヘッドホンアウトを利用して、高音質コンパクト、かつ低コストなPCオーディオ、ヘッドホンライフが送れます!なお、Duet2はMac専用なので、Windowsでは使えません。このマニアックさも、マックユーザーの心を刺激します。Duet2の対応OSはMacOS10.6(スノーレパード)以上なので、OS10.5(レパード)以下の人は10.6以上にアップグレードしておく必要があります。ちなみに現在の最新OSはMacOS10.7(ライオン)です。


MacbookProとDuet2との間は、USBケーブルで接続しているのですが、普通のUSBケーブル、d+USBの3種類、ならびにContinental5S(コンチネンタル5S)とのUSBケーブル比較試聴を行いました。このデモンストレーションで、USBケーブルの違いが音に表れるのを実感していただけたかと思います。

ところで、会場でも「オーディオインターフェース」と言われて「なんですかそれ?」という方々も幾人かおられたので、極簡単にご説明を。「オーディオイン ターフェース」とは、パソコンと外部機器(マイク、LINE入力、MIDI機器など)とのAD/DA変換を行う、元来は音楽制作用途の業務用機器です。 PCオーディオの盛んな昨今、オーディオインターフェースのD/A部分をD/Aコンバーター代わりとして利用するマニアが出現。特にオーディオインター フェースで長年の実績のあるApogee製品は、並みのUSB-DACでは太刀打ちできないほどの高音質を有しているとして、RME製品と並んで、PC オーディオ用のD/Aコンバーターとして利用する例が見受けられます。かくいう私も、自宅では昨年来ApogeeのRossta200(ロゼッタ200)をはじめ、後述する EnsembleなどをMacに繋げて、D/Aコンバーターとして使っています。


Duet2はエントリークラスのPCオーディオ、ヘッドホンライフのご提案でしたが、こちらはさらに進んで、ミドルクラスのご提案です。現実的な価格帯で、プロ並みの高音質でPCオーディオを満喫しようということで、Apogeeのラックマウント型オーディオインターフェースEnsemble(アンサンブル、実売19万円程度)、ドイツのSPLの手によるヘッドホンアンプAuditor(オーディター、実売12万円程度)を、MacbookProに組み合わせています。EnsembleとMacとの間は、d+firewire800-400で接続。今回の展示唯一のファイヤーワイヤー接続例です。


ちなみに、このシステムは、MacとEnsembleが私の個人所有物で、SPLが会社の先輩の個人所有物で、完全に趣味に走っています。Macの中に は、私がAIFF形式でリッピングした音楽データがiTunesデータベースに収められており、これをMac専用高音質再生ソフトFidelia(フィデリア)で再生し ました。Fideliaはappストアで1,700円と安価にダウンロード購入でき、iPod,iPhoneからの遠隔操作が可能なアプリもオプション で用意されていて、かつiTuneのデータベースを利用して音楽再生でき、iTunesより確実に研ぎ澄まされたように一音一音が明瞭になって音質がアップし、Amarraのような作為的に感じられ る音質変化もないという、わたしお気に入りの音楽再生ソフトです。


アンサンブルのブルーに輝くLEDインジケーター。これは意図的に全点灯モードにしています。見ていると、うっとりするくらい綺麗でしょ。この美しさに惚れ込んで買ってもよし!しかも、今年初めに円高還元で、定価25万くらいだったのが、一挙に5万ほど安く価格改定したし。わたしが買ったのは(中古だけど)、価格改定直前。とほほ。


アポジーカラーのメカニカルなロゼッタ200もかっこいいけど、アンサンブルの洗練されたデザインも捨てがたい。そんなわけで、私は両機を所有。あわゆくばDuet2も欲しいと思っている始末。


さて、Ensembleのお隣は、PCオーディオ、ヘッドホンライフのハイエンドをご提案!オーディオインターフェースにApogeeの最高峰SymphonyI/O(シンフォニーアイオー40万円程度)、ヘッドホンアンプにSPLの最高峰Phonitor(24万円程度)をあてがい、試聴ヘッドホンはゼンハイザーの最高峰HD800(16万円程度)と、総額80万円、MacbookPro15インチ(20万円程度)も含めると、100万円の組み合わせです。100万円と聞くと一見高そうですが、これでPCオーディオ、ヘッドホンライフの一つの頂点が極められるので、ある意、味ものすごくお得かもしれません。再生ソフトには、Mac専用高音質再生ソフトFideliaを使いました。


SymphonyI/O、おそらくコンシューマー向けオーディオイベントで展示されたのは、日本ではこれが初めてではないでしょうか。このオーディオライクな洗練されたデザイン、高級オーディオ機器と同じラックに収めても、何の違和感ないどころか、マークレビンソンの現行パワーアンプ群にも似たデザインと、前面のLEDインジケーターが、さりげなく存在感を主張しています。いままで数あるオーディオインターフェースの中でも、これほど洗練されたデザインの製品はSymphonyI/Oをおいて他にないでしょう。


さて、このハイエンドPCオーディオシステムでは、ハイレゾ音源も少々あったのですが、基本はCDリッピングデータを中心にお聴きいただいたのですが、試聴された方々の多くが、その音質の素晴らしさに驚いておられました。


このシステムが高音質なのには、機器のグレード以外にも、電源タップや電源ケーブルは全てオヤイデ電気製、MacとSymphonyI/Oとの接続に5N銀線USBケーブルContinental5S、SymphonyI/OとPhonitorとの接続に、5N純銀FTVS-910とXLRプラグFocus1を使用したDsub25-XLRケーブル(参考出品)を用いるなど、ケーブルにも徹底した高音質化が図られているためです。上写真は参考出品のDsub-XLRケーブルです。御要望があれば受注製作となりますが、おそらくお値段は1mもので6万円程度かと思われます。


展示テーブル背面を這うオヤイデ電気製のケーブル群!
実は今回の展示、これらオヤイデ電気のオーディオケーブルの展示の場でもあったのですが、アポジー製品やSPLやゼンハイザーのハイエンドヘッドホンなどに来場者の目がくぎ付け。一方、ケーブルは機器の後ろで、来場者の視界にはほとんど入らないため、ケーブル展示という印象は薄かったかと思います。


それにつけてもSPLのヘッドホンアンプPhonitor(フォニター)のかっこいいこと。無線機を彷彿とさせる、黄色に光るVUメーター、所狭しと並ぶたくさんのつまみに、ビビッときた来場者が幾人もおられました。


Phonitor、ネットで調べると銀色モデルが多くみられるのですが、現在エレクトリが扱っているのはこの黒モデル。黒モデルのほうがかっこいいです。ぱっと見は、難しそうな面持ちをした独特のフェイスパネルに、たじろぐのですが、じっと眺めていると「これかっこいい!」と思える瞬間がやってきます!そして、ヘッドホンアンプとしての性能も、極めて色付け少なく、フラットに、かつ奥行き感などを含めた音場表現が、ヘッドホンアンプでここまで自然な鳴り方ができるんだ!という驚きをもって感じられるのです。ヘッドホンをごり押しに、屈服させるタイプの鳴らし方ではなく、あくまで開放的にヘッドホンの性能を解き放つ、そんな印象のヘッドホンアンプです。


Phonitorには、位相調整など、他のヘッドホンアンプでは味わえない、数々の音場調整機能も有しているので、ヘッドホンアンプでとことん遊びたい人には、Phonitor以外の選択肢は、そう多くはないでしょう。Phonitorにヘッドホン用のXLRバランス出力があれば、言うこと無しかもしれませんね。値段が実売20万円程度と言うのは、ヘッドホンアンプの中ではハイエンドの部類に入りますが、決して手の届かない価格ではないので、私の物欲も大きくPhonitorに傾いております。しかし私は今冬、ChordのSymphonicを買う事にしているからなぁ・・・。


Phonitorの背面。スイッチは背面にあります(赤いランプ)。Phonitorにしろ、Phonitorの弟モデルのAuditorにしろ、これらは主としてスタジオでのモニター用ヘッドホンアンプとして開発されたものですから、背面にあるライン入力はXLRで、RCAはありません。背面にはXLRラインアウトもあるので、これらヘッドホンアンプを中継して、プリアンプなど他の機器に、信号をスルーすることもできます。


このハイエンドシステムではHD800をヘッドホンに使用するとともに、オヤイデ電気製のHD800用ヘッドホンケーブル(参考出品)のデモも行っていました。さらに、上写真のように、HD800用に開発中の特製フォーンプラグの革張りカバーの見本も陳列。このように、HD800用ケーブルでは、音質はもとより、最高峰のヘッドホンに相応しい質感の美しさも追及しつつ、製品化を進めています。製品版では、これら複数の革張りバリエーションをご用意する予定です。


ハイエンドPCオーディオシステムのさらに横には、ハイエンドCDプレーヤーとヘッドホンアンプとのシンプルなヘッドホン試聴システムを展示。組み合わせたヘッドホンはゼンハイザーのHD650。PCオーディオをやるつもりはないし、大々的なスピーカーシステムを置くスペースもないけど、徹底的に音質に拘ったヘッドホンリスニングを追求したら、この組合せになります。お値段ざっと定価で70万円程度の組合せ。

CDプレーヤーは、ノルウェーのハイエンドオーディオブランドHEGEL(ヘーゲル)のCDP4Aで、定価50万円。シルバーとブラックカラーがあるけれど、今回はブラックを展示。対するヘッドホンアンプは、先にも登場したSPLのAuditor。黒い布の上に置かれていて、両機とも目視しづらいかもしれませんが、これがまた黒黒同士で物凄く見た目にもマッチ。HEGELの独特の操作ボタンに最初は戸惑ったものの、使い慣れれば快適です。音色は色艶の濃淡や、音数の緻密さが特上。普段あまりオーディオ店でも目にしない、どちらかというとマイナーな高級機なだけに、今回の展示以外にも、どこかでまた触れ合ってみたいなと思わせる、質感の高さが印象的でした。


このCDプレーヤー-ヘッドホンアンプのハイエンドシステムでは、オヤイデ電気のXLRケーブルの比較試聴のデモを行いました。ご用意したのはPA-02TX、ACROSS900XX、TUNAMI TERZO XX、AR-910の4種類。

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