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2011年3月30日水曜日

AS-808RとDST-75Rとの音の違いを検証しました!


オヤイデ電気秋葉原店の店内。
オヤイデ電気のプロ向けブランドNEOから2011年2月に発売されたAS-808RとAS-808B。75Ωデジタル同軸ケーブルです。長さは0.6m、1.0m、2.0m、3.0mの4種類。ケーブル中心導体はPCOCC-A、シールド編組線もPCOCC-A、理想的な空気絶縁を実現するコルデル構造を有した同軸ケーブル。これにAS-808Rではオヤイデオリジナルの銅合金製金メッキRCAプラグを、AS-808BではBNC端子を備えています。現在のところケーブルの切り売り販売はありません。

AS-808R/AS-808Bは、ケーブルの外装シースに蛍光物質を添加してありまして、暗闇でブラックライトを当てると青白く光ります!AS-808R/AS-808BはDJが使うシーンが多く想定され、クラブやライブ会場などで目立つようにしてあるのです。


そしてこちらはオヤイデ電気の新型同軸ケーブルDST-75を使ったアンテナケーブルDST-75FL/DST-75FS、それにRCAプラグを備えたDST-75Rです。
DST-75FL/DST-75FSは前回のブログなどでも紹介した、DV-510Fの弟分にあたるハイパフォーマンスなアンテナケーブルです。
DST-75RはDST-75FL/DST-75FSとケーブル部分を同じくして、端末をRCAプラグにした、75オームRCAデジタル同軸ケーブルです。


実は前述のAS-808RとDST-75Rのケーブル部分、違うのはケーブルの材質と色だけで、構造や寸法は全く同じ。すなわち中心導体とシールド編組線がPCOCC-Aで、コルデル構造を有した同軸ケーブルです。AS-808Rが紫がかった透明のPVCシースで、DST-75Rは白色のノンハロゲンポリエチレンシースです。


端末のRCAプラグも大部分の材質と構造は同じで、違うのは差込ピンとマイナスリングのメッキの違いのみ。AS-808Rでは金メッキ、DST-75Rでは銀+ロジウムの2層メッキが施されています。ハンダは両者ともSS-47です。


AS-808RとDST-75Rとの音の違いがあるか、実際に検証してみましょう。オヤイデ本社試聴室のCDトラポP-0sの背面に接続されるAS-808R。P-0sとDAコンバーターD-70との間のデジタル伝送に使用してみました。


これはP-0sにDST-75Rを接続したところ。


さらにオヤイデ電気の75Ωデジタルケーブル最上位機種であるDR-510も比較試聴。結果は以下の通り。

AS-808Rは、音が太く厚みがあり、パワー感に秀でている。各帯域の密度がとても濃厚で、中域を中心に聴きどころをがっちりと掴んだ、一言でいえばガッツのある骨太な音。使用用途に準じ、DJがクラブで使うのに好適だと思うし、まとまりのよい比較的中庸な性格があるので、スタジオユースにもお勧め。

DST-75Rは、AS-808と同様の骨太な性格が基本となりつつも、AS-808Rに比べてレンジが広く感じ、倍音成分もよく表出。その結果からか音場感がより豊かに感じられる。AS-808RとDST-75Rとどちらがオーディオファンに好まれるかというと、八割方の方はDST-75Rを選ぶかもしれないが、あえてレンジを少し狭めた感じのAS-808Rの方が、聴き心地がよいという人もいるだろう。好みの問題かな。

DR-510は、さすがに銀線、オヤイデの最上級デジタルケーブルの風格があり、音像がシャープで明晰。そこに産毛で撫でられるような繊細で艶やかな中高域の表現力が付け加えられる。ボーカルが滑らかで、リアルに質感よく表現されるのが、このケーブルの一番優れたところ。レンジは特に広く、帯域の偏りも感じられず、音抜けが極めてよい。

極端な対比をすれば、男性的なメリハリ調の押しの強さが心地よいAS-808R・DST-75Rに対して、DR-510は写実的で繊細、女性的な優しさを有し、ハイエンドに相応しい鳴りの良さ。
AS-808RとDST-75Rとでは、オーディオ的なワイドレンジ、ハイファイ基調を追求するならDST-75R、中域の濃密さと押し出し感を優先するならAS-808Rとなるだろう。

以上、オヤイデのRCAデジタルケーブルのレポートでした。デジタルケーブル選びのご参考にしてください。

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