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2010年5月10日月曜日

ヘッドホン祭2010春レポートその1


去る2010年5月8日土曜日、フジヤエービック主催のヘッドホン祭2010春が開催されました。
オヤイデ電気もこの度、初出展。場所は中野サンプラザ15階です。中野駅の北側に出てすぐのところにあります。



私たち出展社は8時半から準備開始。これはひとしきり準備を終えた10時半の様子。開場の11時までまだ少し時間があるので、会場を見て回ります。こちらは入り口すぐにあるフロアーで、オヤイデ電気アコースティックリバイブラディウスフォーカルポイントといったメーカーはじめ、ヘッドホン友の会MUSIC WITH 規格外といったヘッドホン愛好家のブースもあります。


会場見取り図。参加54ブースと、かなり大規模です。ヘッドホンに特化した展示会自体が珍しく、ヘッドホンの最新情報を体感できる唯一無二の展示会です。


ヘッドホン友の会のブース。好きこそものの上手なれとはこのことで、会員の方々の所有する名機や希少なヘッドホンが一堂に会して、試聴可能とされていました。また、会員の方々とお話ししたのですが、圧倒的な知識量と情熱に感銘を受けました。こういう本当に好きでやっている人たちが、ヘッドホン趣味をより深く熱くしているのだなぁと実感。


ヘッドホン友の会の方々のコレクション。貴重なモデルたちが即試聴可能な状態でずらり。開場後は会員の方々がそばに立って、来場者の質問に丁寧に対応されていました。


ビンテージヘッドホンという呼び名がふさわしいコレクションの数々ですが、その中でもサンスイのヘッドホンは希少らしいです。側面にはSS-1という型番が記載されています。


ヘッドホン友の会・MUSIC WITH 規格外さんたちのコレクション。ポータブルCDプレーヤーもたくさんあります。壊れたらどうやって修理しているのですかと尋ねたら、自分たちでばらして大概は修理できますとのこと。これら1980-1990年代に一世を風靡したポータブルCDプレーヤーたち、1ビットDACを搭載していたり、当時のオーディオメーカーの最先端技術が凝縮されていることもあって、現在のポータブルプレーヤーと互角またはそれ以上の音質を有しているものもあったりするようです。いまはヤフオクやハードオフなどで安価に入手できることもあって、ポータブルCDプレーヤーは秘かなコレクションアイテムです。


こちらオヤイデ電気のブース。オヤイデのヘッドホン関連アイテム、こうやってみるとけっこう豊富な品揃えで、並べてみるとテーブルいっぱいになりました。

ちなみに、右端っこにちらりと写っている白いケーブルは、本邦初公開の電源ケーブルBLACKMAMBA-Σ(ブラックマンバシグマ)。価格は定価27000円程度で、6月上旬目途に発売予定。前身真っ白なんでホワイトマンバと呼んだ方がよさそうなのですが、まぁそこらへんはご愛嬌ということで。詳しい情報は追ってお知らせします。


オヤイデ電気のヘッドホン交換ケーブル「HPCシリーズ」。ウルトラゾーンモンスターなどの3.5mmミニプラグによる着脱式ヘッドホン用「HPC-35/HPC-62」AKGパイオニアなどのミニXLRプラグによる着脱式ヘッドホン用「HPC-X35/HPC-X62」。それに、iPodやウォークマンなどのポータブルプレーヤーとポータブルヘッドホンアンプとを中継する「HPC-SS/HPC-LS/HPC-LL」。これらはいずれもHPC-22Wというオヤイデオリジナルのケーブルを使用し、かなり劇的な変化をもたらします。プラグもミニXLR以外はオヤイデオリジナル。付属ケーブルなどからHPCシリーズに交換すると、一聴して情報量の増加、音抜けの改善などが感じられます。来場者の多くの方々からもHPCシリーズを使ってますよ!という声が聞かれました。


オヤイデ電気が日本総代理店を担うFiiOのポータブルヘッドホンアンプ群。E1E3E5そして最新機種のE7までずらりと展示。Ebandなんていうプチアイテムもあります。イーバンド(シリコン製のバンド、実売250円程度)はポータブルプレーヤーとポータブルアンプとを束ねて持ち運びたいときに便利です。輪ゴムじゃかっこ悪いですからね。

ポータブルヘッドホンアンプ市場は、2005年頃にQablei-QUBEが登場したのを皮きりにヘッドホンマニアの間で話題となり、俗に「ポタアン」と呼ばれる確固たるジャンルを築くほどの急成長を遂げています。そして、ポタアン市場を変革したと言われるのが2008年に登場したFiiOのE5です。従来、iPodと同じくらいの大きさで、しかもでかいボリュームが付いているのが一般的だったポタアン市場に、スタイリッシュで超小型のE5が登場。しかも音が良くて充電も簡単ときたもんだから、E5はヘッドホンマニアのみならず、女性ユーザーをも取り込み、ポタアンを一気にメジャーな存在に押し上げました。実際、電車に乗っていると、E5を鞄や服にクリップして音楽を聴いている女性をときどき見かけます。雑誌でも度々取り上げられていることからも、注目度の高さがうかがえます。E5登場によって、これに負けじと小型ポタアン開発競争が勃発、現在進行形で次々と小型ポタアンが発売されていますが、音質・携帯性・デザイン・価格をトータル面で鑑みて、小型ポタアン分野でいまだE5を超えるものは見当たりません。

ポタアンを製造するメーカーは、その多くがポタアンを主力製品とする新興のオーディオメーカーで、最新のICチップをいち早く取り入れ、小型化、高音質化に積極的で、とにかく製品の開発力が早い。そして、メーカーの発起人自身が若く、老舗のオーディオメーカーに比して小回りが利きやすい体制、ユーザーの要望がいち早く製品化されるのもポタアンメーカーの特徴。

そしてなにより、ポタアンユーザー含め、世界のヘッドホン市場は、ピュアオーディオ人口よりはるかに裾野が広いと感じます。そして、メインのユーザー層は10代から30代で、消費と情報収集に貪欲で、ネットによる情報交換が非常に盛んです。今回、オヤイデ電気が出品したE7にしても、多くの来場者はすでに認知済みで、出展した私たちよりむしろ詳しい方もいらっしゃいました。とにかくヘッドホン市場は、PCオーディオ市場と並んで、オーディオ業界の中でもいま一番ホットな分野でしょう。そして、ヘッドホン市場とPCオーディオ市場は密接にリンクしているので、相乗効果で益々延びていくでしょう。

ところで、現在のヘッドホン市場、ポタアン市場の急成長は、2001年に発売されたiPodの爆発的普及があってこそ。今月末に日本で発売されるiPadによって、ヘッドホン市場、ポタアン市場はさらなる進化を遂げるでしょう。iPad発売に伴い、どんなびっくりアイテムや使い方が提案されていくか興味津津です。ちなみに展示会当日、個人輸入でいちはやくiPadを購入された方が来場され、iPadにE1を接続されたところ、見事動作OKでした。


さて、今回の目玉製品ポータブルアンプ&USB-DACのE7です。来場者のみなさん情報が早く、いち早くE7が聴けるこの機会を逃すまいと、開場から終了までE7には常に人が群がってました。そして、数百人もの人が試聴されたわけですが、バッテリーは全然減りませんでした。なんせこのE7、1回の充電で80時間も使えます。

E7の特徴はそれ以外にも、ポタアンでは初の有機EL画面搭載(とても綺麗です)、前面はガラスパネル、背面はヘアライン仕上げのアルミで、モノとしての質感がとてもよいです。その他、オペアンプやDA回路には、高音質で有名なテキサスインスツルメンツ社のチップを使うなど、音質面でもこだわりをみせています。また、ヘッドホンを2台同時駆動できる(2系統出力)ので、カップルでの使用や、ヘッドホンの比較試聴、場合によっては2台のステレオパワーアンプと組み合わせて、バイアンプ駆動用のプリアンプにも使えます。しかも、E7はUSB-DACとしても機能するので、例えばノートパソコンの脇に設置して、USBケーブルで接続し、E7からアンプやヘッドホンに繋いでやれば、スリムで高音質なオーディオシステムが構築できます。

なお、音声信号をE7などの外付けUSB-DACでDA変換することで、パソコン内の簡易的な内蔵DACによるDA変換より、ノイズ感、解像度ほかあらゆる点で音質に優位になります。パソコンで音楽を聴いている方、パソコンとシステムコンポを高音質でつなげたい方など、E7であれば最小限の投資で、手軽に高音質化が図れますので、ぜひお試しください。また、E7はUSBによる電力供給なので、別途ACアダプタも必要なく、非常にシンプルなシステムが構築できるでしょう。E7には、あらかじめUSBケーブルが同封されています(USB-Bミニ-USB-A)。

そうそう、E7はおそらく一万円前後で販売され、発売は5月末か6月あたりになります。


開場して間もなく、E7を手にとって試聴される来場者。
そうそう、ヘッドホン祭は他のオーディオ展示会との大きく違い、女性の来場者がとても多いです。


こちら開場前のエトワールルーム。みなさん開場30分前には設置完了。みじんこが気になったものをご紹介していきましょう。


セカンドスタッフのブース。スタジオ機材の定番ブランドGRACEの展示風景。モニターコントローラーm904などが試聴可能な状態に。


据え置き型ヘッドホンアンプの定番m902、BlossomのBLO-0299も展示。BLO-0299はウォールナットで囲まれた高級感のある造り。アンプはバランス駆動方式で、前面パネルにバランス出力搭載などハイエンドヘッドホンマニアにウケそうな仕様。電源は外付けACアダプタ方式、USB入力などのデジタル入力は非搭載、電源スイッチは背面にあります。


アレグロのブース。今春よりすでにオーディオ店の店頭に並び始めているCayxのUSB-DAC「Kong」が展示されていました。小型ノートパソコンとの組み合わせで、気軽に高音質が楽しめそうです。入力USB-B(フルサイズ)1系統、出力3.5ミニ1系統。48kHz/16bitまで対応。人目を惹くようなライムグリーンがとても綺麗です。電源はUSBバスパワー駆動のみ。E7のよきライバルと言えそうですが、けっこう厚みがあるので持ち運びには若干不向きかな。フジヤエービックでも展示されていました。


JABENNETWORKのブースでは、CEntranceのUSB-DAC「DAC port」が展示されていました。このコンパクトさで96kHz/24bit入力まで対応。持ち運びを前提としたスリムな略円筒形筺体とされています。


DAC portの入力はUSB-Bミニの1系統、出力は3.5ミニ1系統。ブースにいてたジャベンさんはとても気さくな方で、ぜひぜひ聴いて下さいということで、 DACportを実際に音を聴きました。十分以上にクリアで高解像度です。2009年末の新製品で、日本にはこれから本格進出となるのしょうが、ヘッドホ ン祭りに出ているということは、フジヤエービックさんで扱うのではないでしょうか。ちなみにセントランスの自社直販ページを見ると399ドルになっていま すので、4万円程度といったところでしょうか。


とてもにこやかなCEntrancenの主催者Michael Goodmanさん。また秋にお会いしましょう。
(ツイッターでの主催者の記載ミスご指摘ありがとうございました。)


東志のブース。ヘッドホン祭で唯一、レコードプレーヤーとヘッドホンとの組み合わせ提案です。レコードプレーヤーは東志が日本総輸入元を務めるミッチェルエンジニアリングGyroSE。ヘッドホンアンプはご存じラックスマンのP-1を使用。また Future Sonics(フューチャーソニックス)のm5というカナル型イヤホンも展示。

では、長くなるのでこの続きはまた今度。

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