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2013年8月18日日曜日

幻のEE-F/S2.6



みなさんオヤイデを始め日本の主要オーディオメーカーで使用されているオーディオ用高音質導体PCOCC-Aが、今年度いっぱいで生産終了になることはご存知だと思います。
そう、古河電工によるPCOCC-A導体の製造ラインは、まだ稼働しているものの、すでに生産に滞りを生じ始めており、無限にあると思われていたPCOCC-Aは今や乾いた砂漠に僅かに降る一雨のごとく、少量入荷してはすぐに消え行くのでした。聞くところによると、今回の生産終了は、大枠では古河電工の事業見直しが引き金で、そこにPCOCC-Aの製造ラインを長年にわたり担当されていた古河電工の従業員の方の定年退職が追い打ちをかけ、後任者を配置する見込みも立たず、決定されたようです。製造ラインは生産終了とともに解体され、現在の工場から別の工場に移設されて保管されるらしいですが、よほどの事が無い限り生産再開には至らないでしょう。



PCOCC-Aの生産終了にともなって、TUNAMITUNAMI NIGOは現在、長期在庫切れで、秋頃に若干の生産予定があるものの、それも限りがあります。PCOCC-Aを使ったケーブル類は大なり小なり同じ運命を辿ります。オヤイデ電気では今後2年分のケーブル消費量に相当するPCOCC-Aを古河電工に注文したのですが、すでにPCOCC-Aの生産に滞りが出始めている上に、PCOCC-Aの生産終了を知った海外からの膨大な注文が追い打ちをかけ、限りあるPCOCC-A導体でいつまで旺盛な需要に応える事ができるか未知数なのです。そう、PCOCC-Aの人気は、国内のみならず海外でも高いのです。先週も香港に出張してきたのですが、取引先からはPCOCC-Aの現状と今後の代替品に関する質問が相次ぎ、みな今後のオヤイデの赴く先に注目しているのです。

ケーブル自作派のみなさん、もし、この記念すべきPCOCC-A高音質ケーブルの切売り品をオーディオ店や家電量販店で見かけたら、いまのうちに買っておくことをお勧めします。導体を多く消費するケーブルは今後の生産予定数が決して多くは無いのです。あまりあおっても仕方ないのですが、具体的にはACROSS2000/ACROSS750/ACROSS900/PA-02/TUNAMI TERZO/PA-22/PA-23/TUNAMI/TUNAMI NIGO/BLACK MAMBA、それにEE-F/S2.0です。


惜しむべくはEE-F/S2.6。もともと在庫数が減っていたところに生産終了を聞きつけた海外から注文が殺到。あっと言う間に在庫が尽き、今後の生産予定も無いため、幻のケーブルになってしまいました。EE-F/S2.6は2.6mmのPCOCC-A極太単線を3本も使用しており、導体の消費量が半端なく、売価に比して製造コストが高いのです。したがって、貴重なPCOCC-Aを他の優先順位の高いケーブルに割り当てるべく、EE-F/S2.6の追加生産を諦めざるを得なかったのです。私も在庫あるうちにEE-F/S2.6をまとめ買いしておこうと思ったのですが、間に合いませんでした。これにしか出せない音があったので、生産終了は私にとっても痛手です。弟分にあたるEE-F/S2.0も残り少ないです。


FF-20は発売して間もないケーブルなだけに、第一ロットがまだ1,000m弱あるものの、第一ロットが最終ロットになるとは、なんと悲運なことか。

さて、PCOCC-Aに代わる導体に関してですが、差し迫った危機に背中を押されるがごとく、模索している最中です。ある程度の目星は付けているものの、PCOCC-Aと同等かそれを上回る導体でないと採用する意味がありませんので、慎重に探索と検証をおこなっております。みなさんの期待を裏切らぬようがんばりますので、いましばしお待ち下さい。まぁなんとかなるさ。

2013年8月17日土曜日

電源ケーブル自作講習会のご報告



たいへん遅くなって申し訳ありませんが、先月7/13に行われた電源ケーブル自作講習会の模様をお伝えします!募集は開始の翌日に定員に達し、これは歴代の自作講習会史上最速の定員到達でした。定員に達した後も多くのお問い合わせがあったため、定員を50名にまで拡張し、若干数を追加募集するものの、これもすぐに埋まり、応募者の皆様からの期待が非常に高い事が伺えました。


この日は午前、午後各48名のご参加をいただき、TUNAMI NIGOとベリリウム銅無メッキ電源プラグ、IECコネクターからなるスペシャル電源ケーブルを製作しました。

、さすがは製作難易度ぴか一のTUNAMI NIGO、工作はとても困難を極めたものの、みなさん2時間半の時間を要して完成!やはり5.5スケアの撚り線導体は一筋縄ではいきません。ま、これを組み立てられたら、他の電源ケーブルはなんてことないひよっこのようなもの。みなさん、これに懲りずにこれからも電源ケーブル製作に励んで下さいね。

これは午後の部の完成祝賀写真。みなさん、この日製作した電源ケーブルを自宅のオーディオシステムで楽しんでおられることと思います。ピークやディップの無い、とても癖の少ない、それでいて全帯域にみなぎるパワー感、広大なダイナミックレンジと分解能は、これからのリファレンス電源ケーブルとして一生ものになるに違いありません。