こちら、PASS LABSのプリアンプXP-20を加えた新システム。D/AコンバーターのエソテリックD-70も近々入れ替え予定。
こちら新しく導入したウィルソンオーディオのサーシャと、パワーアンプPASS LABSのX1000.5。X1000.5は怪物級の筺体サイズの割に、天板が薄く、鳴きが出るので、応急処置として銅のスパイク受けを載せてます。
ただいま、この新システムはエージングの真っ最中で、私が出社したときに電源を入れ、音楽を無人で鳴らしっぱなしにして、退社するときに電源を落としています。これを3ヶ月間くらい続けてエージングを進行させます。導入してから半月ほど経ちましたが、高域の延びが初期状態に比してだいぶこなれて抜け良くなりまして、かなりタイトだった低域表現にも、ほどよい厚みが出てきました。
ただ、この新システムはエージング以外にも、ケーブルのチョイス、セッティング方法を吟味することによって、まだまだもっとよくなるはず。それをどんどん追いこんでいくのが私の役目。さて、今回は手始めに、プリ-パワー間のケーブルを交換します。
XP-20とX1000.5との間は、長めのケーブルが必要で、さしあたりオヤイデの楽器ブランドNEOからラインナップされているPA-02XLR-XLRの5.0mで繋げていました。
ケーブルを追い込んでいくにあたって、まずは基準となる状態を把握すべく、オヤイデが従来からリファレンスにしているストレートラインシリーズに、全てのケーブルをリセットします。そこで、PA-02XLR-XLRを外し、ストレートラインSL110XXに交換することにしました。なお、トラポ-DAC-プリは、すでにSL-110XXで繋がれており、トラポやDACやプリの電源ケーブル、およびスピーカーケーブルにはストレートライン2by2を使用しています。
SL-110XXの4mペアを作ります。この長さは定尺ではなく特注扱いなので自分で作ります。材料は切り売り単売されているSL110ADの4mを2本。スイッチクラフトのXLRプラグのオス・メスを各2個。XLRプラグのゴムブッシュは邪魔なので、取り外して使用します。なお、SL110ADは2芯シールドケーブルで、ストレートラインのタイプ2と呼ばれているものです。
ストレートラインにはタイプ2の他に2種類あります。同軸タイプ(1芯シールド)のSL75AD、これはストレートラインタイプ1とも呼ばれます。また、スターカッド線の2by2はスピーカーケーブル・電源ケーブルに使用でき、タイプ3とも呼ばれます。ストレートラインはいろんなケーブル用途に用いる事が可能なので、ユニバーサルケーブルというネーミングで呼ばれる事もありました。いろんな名前があって、ちょっとややこしいですね。
SL-110ADの端末を剥いたところ。銅箔ホイルに編組シールド、ダミーチューブ数本と2本の芯線、その芯線の絶縁材を抜き去ると、樹脂製コアにスパイラル巻きされた導体が出てきます。こんな感じで、SL-110はけっこう複雑なケーブル構造をしています。
ちなみに、SL-110ADの端末加工のコツは、上写真の青い芯線の先に露出している樹脂製のコアを切り落とすことです。その後、導体を手で撚り、予備ハンダして固めます。コアを切り落とす手法は、例えばS/A LABのハイエンドホース3.5やHLP4などにおいても同様で、コアを残したままハンダ付けしようとすると、うまくハンダが延びなかったり、下手をするとコアが溶解して導体と融着してしまい、音質に悪影響を及ぼします。具体的には低域が出ないスカキンな音になります。
SL-110ADの端末処理で出てきた屑。左より、外装シース、銅箔、透明なラップ、口径の異なる2種類のダミーチューブ、白と青の絶縁材、樹脂製のコア。うーん、なんという複雑な構造だろう。これらの素材の採用に至った理由は当然ながら音質を考慮し、試行錯誤の末にたどり着いたものです。私がオヤイデ電気の常連客だった当時、当社の村山社長から開発中のSLシリーズの苦労話をよく聞きました。
端末にXLRプラグを装着したバランスケーブル、SL-110XXの出来上がり。
SL-110ADは極めてニュートラルでS/Nよく、高解像度、透明感に優れ、繊細な高域表現とすっきりとした中低域、たしかにリファレンスにふさわしい 出来栄えのケーブルです。オヤイデ電気の現在のケーブル群は、その多くがストレートラインの音色を基軸として、発展していったものです。
残念なのは、すでにご承知の方も多いでしょうが、SL-110AD含めストレートラインシリーズは今夏で生産中止となり、在庫限りだということ。まだオヤイデ電気秋葉原店には切り売りケーブル、端末プラグ付きの完成品ケーブルが若干あるようなので、欲しい方は即購入しておきましょう。いま処分セール中で、定価の70%OFFですよ。
取り外したPA-02Custom XLR-XLR 5m。オヤイデNEOブランドで市販されているものです。ハイスピードで鮮明感が際立ち、音の見通しが良いことからモニターシステムに好適で、録音スタジオなどプロユースで多用されているバランスケーブルです。
PA-02Custom XLR-XLR の代わりにSL-110XXを繋げました。
変化は一聴して分かりました。私ともう一人社員が同席したのですが、2人とも同じ感想を持ちました。高域の抜けがさらによくなり、以前はやや直線的な輪郭が、細部まで細かく点描画のように描く、シルクのようにきめ細やかな繊細感が出てきたのです。別の言い方をすると「粒立ちが細かい」というやつですね。
うーん、これは以前、私の個人サイトオーディオみじんこでもレポートしたときの印象と同じ。その時はS/A LABのHLP MWT PLUSとSL75ADの比較でしたが、それと同じです。たしか、HLP MWT PLUSは線描画のイメージで、SL75ADは点描画のイメージだ、というようなことを書きました。
とにかくも、SL-110XXはハイエンドオーディオシステムに使用しても遜色なく、その性能を発揮することが分かりました。まぁ、ちょい聴きの感想ですが、SLシリースはエージングでかなり変化しますし、さらに良くなることでしょう。惜しむべきは、SLシリーズが在庫限りだということかな。
さて、お次はパワーアンプX1000.5付属ケーブルをストレートラインタイプ3「2by2」を使用した電源ケーブルに交換します。試聴室のケーブル箱をあさったら、ちょうど2by2+P029/C029の電源ケーブルが2本あったので、これにさっさと交換しようとしたところ・・・あ!なんてことでしょう!!X1000.5のインレットは一般的な15Aインレットではなく、20A仕様のインレットだったのを思い出しました!!!IECコネクターを20A仕様に換えなければ差し込めないではないか!
さて、お次はパワーアンプX1000.5付属ケーブルをストレートラインタイプ3「2by2」を使用した電源ケーブルに交換します。試聴室のケーブル箱をあさったら、ちょうど2by2+P029/C029の電源ケーブルが2本あったので、これにさっさと交換しようとしたところ・・・あ!なんてことでしょう!!X1000.5のインレットは一般的な15Aインレットではなく、20A仕様のインレットだったのを思い出しました!!!IECコネクターを20A仕様に換えなければ差し込めないではないか!
でも大丈夫、オヤイデにはちゃんと20A用IECコネクターがラインナップされているのです。
次回に続く。
次回に続く。
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