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2010年7月13日火曜日

2010.7.11 RCAケーブル自作講習会のご報告


2010年7月11日にオヤイデ電気の自作講習会第5弾となる「RCAケーブル自作講習会」が開かれました。場所は秋葉原の広瀬無線本社5階貸しホール。また、同じ会場でPCオーディオ試聴会も開催しまして、こちらも大盛況でした。


まず、10時半より2時間弱の予定でRCAケーブル自作講習会を実施。総勢50名近くの方にご参加いただきました。司会はいつものようにオヤイデ電気の荒川が務め、オヤイデ電気の社員数名で工作のアシスタントを行いました。まずは工具の説明と、部材のチェック。なお、メールでご応募いただいていた方には、講習会の前々日に工作工程マニュアルをPDFファイルでメール送信いたしましたが、その同じ内容のマニュアルを皆さんにお配りして、その手順に沿って作業を進めました。

今回はTUNAMI TERZO(ツナミテルッツオ)+SLSCの 組み合わせからなるRCAケーブルを作りました。参加者にお配りした工作工程マニュアルをご覧になられたい方はこちらをクリックしてください。PDFファイルでご覧になれます。
ついでと言ったならなんなのですが、昨年6月28日に行ったFTVS-510とSLSCを組み合わせたRCAケーブル自作講習会のマニュアルもこちらにアップしましたので、興味ある方はご覧ください。


最初はTERZOの外装シースの皮むきです。こちらで予め所定位置に薄い切れ込みを入れていたので、皆さん比較的スムーズに皮むきは行えたようです。


次いで、銅線からなるスパイラルシールドを反転させて、銅箔シールドを露出させ、万能ハサミで銅箔を取り除き、さらに黒い介在物を万能ハサミでカットします。


皆さん黙々と端末処理しています。これはマイナス線とシールド線とを撚り合わせているところ。


プラス線とマイナス線に予備ハンダをしていることろ。ハンダコテの扱いには、ある程度の慣れが必要なのですが、誰でも最初の一歩はあるもの。これが最初のハンダ作業だった方も、この工作で少しは慣れられたのではないかと思います。


予備ハンダが終わったら、ケーブル端末をプラグに差込み、いよいよ本ハンダを行います。マイナス線をプラグにハンダ付けするのがけっこう難しく、今回の最大の難関だったと思います。


うまくいかいないときには、アシスタントがこのように手助けします。ハンダコテを対象物にあて過ぎると、絶縁材やプラグ内の樹脂部分を溶かすことがあり、またハンダコテを少ししかあてないと、対象物が充分に加熱されず、ハンダの乗りが悪くなってしまいます。また、ハンダを溶かし過ぎると、対象物がハンダで山盛りになってしまい、プラグのカバーが締まらなかったり、音質的にも歪み感が生じたりと、あまりよろしくありません。かといって、溶かすハンダの量が少なすぎると、プラグとケーブル導体がきちんと結合されません。ここらへんのさじ加減は、慣れてくれば手先が覚えてくれると思います。


出来上がったTUNAMI TERZO+SLSCの組み合わせからなるRCAケーブル。市販品のTUNAMI TERZO RRとはプラグが異なります。TUNAMI TERZO RRでは、GENESISという昨年末に開発された新型コレットチャックプラグを搭載しています。GENESISとSLSCは甲乙つけがたい音質ですが、GENESISは艶と厚みに秀でた安定感ある音質傾向で、TUNAMI TERZOの音質傾向をより強調する方向に作用します。一方、SLSCは低域が引き締まり、高域の抜けに秀でた高解像度基調で、TUNAMI TERZOの肉厚さをギュッと引き締めます。

今回の工作は予定より早く、1時間半で終了。皆さんよく頑張られたと思います。そして、製作したケーブルで、皆さん早速愉しまれていることと思います。自ら製作したケーブルであれば、感動も一入。末長くご愛用ください。

明日は、講習会の後に開かれたPCオーディオ試聴会をレポートする予定です。

2 件のコメント:

  1. 今回も参加させて頂きました。TSUNAMI TERZOと言えば、PCOCC-A材の1.25sqということで注目していましたが、自作の仕様はさらにRCA端子がSLSCで大きな期待を持って出向きました。とはいえ、外装シースの抜き取りは下手、ハンダ付け作業は30年ぶりということで、スムースに行くはずはありませんよね。でもそこはいつもの万全のサポート体制がありまして、どうやら無事に完成出来ました。肝心の音ですが、これが予想とは少し異なったものでした。バーンインの最中ですが、メインシステムのCDP(DP67)→プリ(C2000)は、現状はナノテックG.S.nano3 XLRなのですが、今回のものは情報量が多いという印象ではなく、それが極めて整理されて聴こえてくるというものです。やや抑制的という印象があります。情報をありったけ届けます、というのより本当のハイファイかな、と思ったりしているところです。大人のハイファイみたいな。ただ、その差は、大きいものではなくてむしろ僅かな差といえるものでした。今は自室のセカンドシステム、CDP(X-1S、エソ)→アンプ(E-305V)に装着していますが、音の印象は同じようです。バーンインが進めばまた、印象も変わってくるかもしれません。  完成品の外観は外装のパールホワイト、端子の精密感など持っているだけで嬉しくなってくるものがありますね。当日お世話になりました荒川さん、店長の小林さん、スタッフの皆様に感謝です。

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  2. くいな様
    ご参加ありがとうございました。長時間でしかもテンポの早い工作だったので、大変だったと思いますが、うまく仕上がったようでよかったです。
    試聴のご感想参考になります。そうですねぇ、たしかにTERZOは中低域に意図的に厚みを持たせたケーブルで、同じPCOCC-A導体を使いながらもハイスピード系のPA-02とは、対極に位置していそうです。なので、全体的な印象からすると、かなり落ち着いた感じになり、くいな様のコメントにも、なるほどとうなづけるものがあります。

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