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2011年9月3日土曜日
ジャズ喫茶メグ インシュレーター試聴会レポート!
もう先月のことですが、8/27にジャズ喫茶メグでインシュレーター試聴会が開かれました。私みじんこは、オヤイデ電気のインシュレーター説明のため出席。クライナ、クリプトン、ローゼンクランツ、アコースティックリバイブも、代表者がそれぞれ自社インシュレーターを携えて参加。フューレンは、社員さんは来なかったものの、実物のみ参加。
試聴順に、
オヤイデ電気 真鍮+カーボン製INS-BS(8,610円/4個)+ステンレス製INS-SP(1,890円/4個)+ステンレス製INS-US(2,520円/4個)
クライナ ダブルスパイク D-PROP extend (63,000円/4個、後半戦でC-PROPもミックスで試聴)
クリプトン チタン+ゴム製IS-700ti (33,000円/4個、後半戦でハイカーボンスチールIS-500も試聴)
フューレン ステンレス+木質製 f-insulator (16,800円/4個)
ローゼンクランツ(カイザーサウンド) 真鍮製PB-BIGIII(31,500円/1個、本邦初公開)
アコースティックリバイブ RIQ-5010(50,400円/4個)+ヒッコリー材の受け(非売品?)
進行役は、オーディオ評論家の林正儀先生。ご自身でも、オーディオで得意とする分野はインシュレーターとおっしゃられてる通り、置物系、敷物系アクセサリー評論の第一人者です。
寺島さんは、カイザーサウンドの貝崎さんと一緒に入り口付近にお座りになられていました。
試聴システム。メグの会会長の私物CDプレーヤー、ayonのCDプレーヤーCD-07。プリも会長の私物で、いまは亡きホブランドのHP-100MC。パワーアンプとスピーカーはメグ据え置きのもの(エソテリックA-80とアバンギャルドのDUO)。CDP-PREのRCAケーブルはTMD(トータルミュージックデザイン)の何かのようです。オーディオラックは、この日、クライナさんからメグに寄贈されたオルケスタが1段とARシリーズ2段。
インシュレーターは、前半戦ではCDプレーヤーの下で、後半戦では同じくCDプレーヤーに敷いたり、小型スピーカーの下に敷いたりして試しました。
メグの会試聴会は18時開始予定が、実際には19時ごろから開始で、22時近くで終了。
会の最中には、ハプニングあり、笑いあり、毒舌ありで、まぁ色々ありましたが、会場は満席、とても賑やかで楽しい試聴会でした。各メーカーの各モデルとも、音の違いが比較的明瞭に感じられました。おそらく寺島さんが次号の季刊オーディオアクセサリーにうまくまとめられると思いますが、来場者の声を断片的に書きとめたものと、私自身が感じた印象をプラスすると、おおむね以下の通り。
オヤイデ:ハイスピード。ベースの切れ、沈み込みが一段と増した。
クライナ:ピアノが優秀。低域の量が増した。
クリプトン: ソフトな印象。ベースが太く膨らむ。
ローゼンクランツ:ボリュームが上がったように聞こえる。音が積極的に訴えかけてくる。
アコースティックリバイブ:しっとり。下の方がずっと伸びている。
オヤイデ
INS-SP+INS-US+INS-BSでは切れのよさと中低域の厚みがあるウェルバランス。
ならばと、後半戦では、INS-BS+INS-US+INS-SP+INS-BSのてんこ盛りにしたのだが、過ぎたるは及ばざるがごとし。背が高すぎて不安定になったのか、どうにもしっくりこない。他の来場者の反応もいまいちだ。そこでリベンジのINS-BS+INS-CF(カーボン+テキサリューム)で、今回最もよい結果、色艶の感じられるウェルバランスが得られた。私の隣に座っていたアコリバの石黒社長も「さっきの(てんこ盛り)より、こっちのほうが断然いいよ」と。これで実売13,000円程度なら、パフォーマンスは随分高いかな。最後に、INS-SP+INS-USのオールステンレス組み合わせをスピーカーの下に敷いたとき、よく言えばシャープに切れ込む、つんざくようなハイスピードサウンド。刺激が強すぎだが、私はこの刺激が好きだったりする。来場者はINS-SP+INS-USの音をどう感じたのだろうか気になるところだったが、その後に他社インシュレーターの試聴が休みなく続いたので、感想を聴くことができなかった。
クライナ
円筒形の筒の中にダブルでスパイクが仕込まれていて、オイルが充てんされていて、それで振動を吸収するのだとか。詳しい理論は同社のサイトをご覧いただきたいが、振動を吸収して大人しくなるのかと思いきや、実際にはその逆の印象で、音に躍動感と華やかさがある、どちらかというと積極的に聴かせるタイプの音作りだった(D-PROP)。さらに同社のインシュレーターで面白かったのは、D-PROP3つと、C-PROP1つを組み合わせた試聴で、D-PROP4つのときと比べて、明らかに音が違った。私はC-PROPを組み合わせたときの方が、さらに躍動感があって好印象だったが、D-PROP4つのときの方が好きだと言う参加者もいた。
C-PROPとD-PROPのハイブリッド使用にも何か理由があるらしく、クライナの社長の伊奈さんがD-PROPとC-PROPの作用の違いや使いこなしについて、色々説明されていたのだが、私はすでにビールを何杯も飲んでいたので、頭が回らず、よく理解できなかった。とにかく、こういう使いこなしの提案は、さすがだなぁと思いつつ、オヤイデのインシュレーターでも、使用する面の表裏の違いや、組合せの違いで、音がずいぶんと変化することを、もっとアピールできたらよかったなと反省。
クリプトン
チタンインシュレーターIS-700tiを先に聴き、これがきつい音がするのかと思いきや、意外とマイルドで耳当たりよいサウンド。チタンだけでなく、ゴムのリングもほどよく作用しているのだろう。東日本大震災においても、同社のインシュレーターのゴムリングの滑り止め効果がずいぶんと発揮されたようで、同社のインシュレーターを使っていた機器は、脱落事故がなかったらしい。後半戦では、ハイカーボンスチールインシュレーターの平らな直径5cmのやつも試聴(たぶんIS-200)。男性客は全員色々な理由を並びたてて、軒並みチタン製のほうが好ましいという感想を述べたが、紅一点の女性客は、ハイカーボンスチールの方が好みだと簡潔に述べて、その率直さがすがすがしかった。我々オーディオマニアは、とかく理屈や御託を並べすぎると反省猿。
フューレン
前半戦のみで試聴。整然と整えられた、折り目正しい音という印象。後半戦で、いざ試聴というときに、中の木の球が脱落して紛失すると言うトラブルが2回発生し、正直そのドタバタ劇のほうが印象に残った。f-insulatorを扱うときは、ステンレスと木の球の積み重ねが崩れないよう注意してセットすべし。
ローゼンクランツ(カイザーサウンド)
マニアと喧々諤々の弁をぶつけ合っている印象の強い貝崎さんだが、普通に話せば気さくな方。その製品にかける熱意たるや相当なものなので、カルトぎりぎりの理論も面白く、私は貝崎さんと、貝崎さんが作る作品が好き。PBカズンとかPBベビーしか持ってないけど。
さて、その最新モデル、本邦初公開のPB-BIGIII。PB-BIGIIからどこがどう変わったのか、詳しい説明はなかったんですが、出てくる音は圧巻!音が前に前にせり出してくる。音圧が上がったように聞こえる。ベースがぐいぐい存在感を表し、シンバルがこれでもかというくらいにほとばしる!お好み焼きに、とんかつソースとタバスコをダダ盛りにしたようなボリューム感で、個性的この上ない、思いっきり濃い味付けのサウンド。
PB-BIGIIIに使っているのは、エコブラスではなく、ごく普通の真鍮とのこと。PB-BIGIIIが出音には、第一に真鍮の圧倒的なマス(質量)、第二に真鍮を絶妙に張り合わせた構造(俗に歯と歯茎というやつ)、そしてエッジ処理の滑らかさ、表面処理のきめ細やかさが効いているのかな。一度は使ってみたいと思わせるものがあるのだが、1個三万円と、お値段も相当なものである。いや、3個で10万切る値段だと思えば、コンポ1台買うより安いとも言えるし・・・。インシュレーターの極みだなぁ。
アコースティックリバイブ
RIQ-5010は以前、数年前に某所の試聴会で聴いた印象、そして私自身自宅で使用している印象と同じく、この試聴会でも、有機的な滑らかさが秀逸。声のしたたるような口元の動きが感じられ、音に甘いシロップを掛けたような、独特のとろみを感じさせる。特に、女性ボーカルにはこの上ないインシュレーターだと思った。これもたしかに高額なインシュレーターなのだが、出初めのころは現在より安く、以前の試聴会の後、どうしても欲しくなって購入した。今も、CDプレーヤーや電源タップなどの下にRIQ-5010やRIQ-5010Wを敷いている。厚さ1cmと、薄く仕上げられているのも、私にとっては使いやすくて好ましい。
似たような石質系インシュレーターで、オーディオリプラスの石英インシュレーターも持っているのだが、このリプラス製の方は、まさしく石の硬さを連想させるような、エッジの立った、鋭く切れ込むハイスピードな硬質サウンド。甘さは一切感じず、良くも悪くも色付けのない、無味無臭の無機質かつ正確無比なサウンド。
一方、アコリバのRIQ-5010は前述したとおり、有機的な実態感のあるサウンドで、今回の他の5社のインシュレーターと比べても、系統が異なる別種の存在だった。RIQ-5010が嵌まる窪みが設けられた、ヒッコリーの試作ベースも効いていたのだろうが、これは市販されるのかは分からない。
今回の試聴会は私自身、おおいに勉強になった。そして、私の頭の中で思い描いている、オヤイデ電気の次期大型インシュレーター、値段がはりそうなので開発を躊躇していたのだが、これをそろそろ具体化させるべきだなと、熱く心に誓ったのであった。いま進行中の諸々の案件が一区切り付いたらね。
最後に、林正儀先生、ジャズ喫茶メグのオーナー寺島靖国さん、メグの会の会長の中塚さん、副会長の吉田さん、各メーカーの代表の皆さん、参加者の皆さん、メグの店員さん、本当におつかれさまでした、そして色々ありがとうございました!!
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